❤︎ ページ21
「あの女の人、……消えちゃえばいいのに」
ばぁうくんを差し置いてオンナを憎く恨んでしまう今の自分が嫌いになりそうだ。もっとばぁうくんの事だけを考えなくちゃいけないのに。ばぁうくんの事だけに心を動かしていればいいのに、今はあの時のオンナをこの世から消したくて仕方がないのだ。
私の知らないばぁうくんを知ってるオンナ。
私の知らないばぁうくんに愛を囁かれたオンナ。
私の知らないばぁうくんに触れられたオンナ。
きらいきらいきらい。
消えろ消えろ消えろ。
そんな恐ろしい事を考えている自分自身も怖くてその場にしゃがみこむ。この気持ちが正解なのかが分からない。言って嫌われてしまったら。生きていけない。
僅かに残った心すら粉々になってしまう。
それでもばぁうくんが必要としてくれるならいいのだけれど、そのまま捨てられて次のオンナが現れたら、もう死んだも同然だ。
「……嫌になっちゃうな、ほんと、」
ギュッと爪を立てて左腕の火傷を自分で傷つける。痛いはずのそれは脳に『痛いよ』と教えるよりも先に『生きてるよ』と呼びかける。それが、心地よくて本当に存在している気がして止められない。
「ちょっ、お前なにしてんのっ！」
「えっ……、」
パッと右手を掴んで左腕から遠ざけたばぁうくん。無意識にやってしまっていたそれに気がついた時、人差し指と中指、薬指の爪の間に血肉が挟まり、左腕からは強く握りしめたせいで血が溢れていた。
「あ、……、」
「手当てするから、ちょっと待ってて」
「ごめんなさい、ごめんなさいっ、ごめんなさい私っ、ダメって言われてたのに守れなくて、ごめんなさ」
「ちょ、いいから。謝らなくていいから」
「ごめんなさいごめんなさいっ、」
何を言っても今の彼女には言葉が伝わってない。ただ、ばぁうくんとの約束を破ってしまった事への後悔が大きくて余計に自分を攻めていく。
ばぁうくん以外に心を使って、挙句自分を傷つけるなって言ったばぁうくんの言葉すら守れなかった、私、ダメだ、ダメな子だ。嫌われた。嫌われちゃった。生きてる意味が────。
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こうは＃琥珀糖(プロフ) - 完結おめでとうございます！完結して寂しいような、嬉しいような……そんな気持ちでいっぱいですｗ もし、他のメンバーさんでも書いていただけるならぜひ読みたいです！ (2022年9月7日 18時) (
レス) @page36 id: 908f16ce99 (このIDを非表示/違反報告)
アや(プロフ) - 更新ありがとございます！この作品大好きです！ (2022年9月3日 9時) (レス) @page24 id: df745531ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Stellar | 作成日時：2022年7月1日 11時
