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まぁ、何にもなかったけど。だけどなんだかさ。ズルズル、ズルズルみたいな…何かを引き摺る音が聞こえ始めてさ、地を張ってるみたいな……それで、もっと下の方を狙って照らしてみたんだけど…そしたら人の手みたいなのが見えて…

 なんだか匍匐前進してるみたいに見えてさ、こんな夜中にそんな動きする人は軍の人とか?しかイメージなくて、悪い予感を察知したわたしはリードを引っ張って走り出したの!

 いやー、緊張感凄かったー!わたしみたいに元陸上じゃないとあんなに走れなかっただろうな〜。

 走ってる時は前しか見てなかったから周りとか見てなかったけど、後ろからズルズルって音は聞こえてたんだよね…しかもちょっとずつちょっとずつ近づいてきてる気もして…

 追われてるみたいな…泥棒になった気分だったよ…ほんのちょっとだけど!いや例えだからね!
 
 まぁ、家までどうにか走り切ったんだけど、ドア大きな音立てて閉めすぎちゃって、親に玄関で怒られてさ……靴ぐらい脱がせてくれてもいいのに!

 あ、いや怒られたことを言いたいんじゃないけどさ。わたしがてけてけだと決定的に思ったことがね…ドアの方に背中を当てて深呼吸してたんだけど、その時確かに…ドアの向こうから…



 “貴方の脚ちょうだい”



 って言われた気がするの!!すごくない!?絶対そう言ってた!なんかボソボソと言ってたけど、わたしはそうだと思ってる!!
 
 もう、絶対てけてけなんだってば!

 ブッチョもそう思うよね!!?

 ま、まぁ。わたしの話はこれでおーわり、勢いよく話したから汗かいたよ。もう一回あのスリルを味わいたいわけじゃないけど、顔くらい見たかったなていうのが正直なところかな…次会ったら絶対に絵に残してやるんだから!それじゃ、意志表明も出来たしロウソク消しまーす。次の人どうぞ〜。


◇ Ep.4 最凶かまってちゃん→←├



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作者名: | 作成日時:2022年8月28日 21時

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