case3 ページ3
さぁ、ここで少し昔の話をしよう。
警察学校で出会った、降谷零、諸伏景光、松田陣平、萩原研二、伊達航、佐伯Aという6人がいた。
とても仲の良い、6人組。
1人だけ女が含まれているのはこの年、極端に女性が少なかったからだ。
そしてその容姿から少し避けられることもあった。
母は日本人、父はイギリス人のハーフで透き通る様な白い肌と変わった目の色。
なんでモデルじゃなくて警察官になろうと思ったんだ、というような。
けれど、その人当たりの良さから少ない女性の中でみんな仲良くなった。
ただ、彼女は優れすぎていた。
爆弾解体は苦手なもののそれ以外の事はなんでもこなしてみせた。
そのため実技の授業などは優れている者達で纏められ、女性達と授業をすることはなかった。
という経緯でこの6人組になった訳だ。
皆、夢を叶え警察官となった。
だが、あるものは交通事故に、あるものは爆弾解体中に巻き込まれ、あるものは周りの人間を守る為に自分の命を犠牲にして爆死した。
そして、彼女はある組織に潜入し、疑われ、銃で胸を撃ち抜かれて死んだ。
「死んだ筈のお前がなんでここに居る」
「まぁ、色々あるわよ」
「……」
「景光君は元気?」
「………死んだよ」
拳を握り締め肩を震わせる降谷。
それと同時に私は目を見開く。
「そんな…」
頬を手で包み込み、撫でると降谷は私の首元に顔を埋める。
私の体を強く抱き締めて、頭を揺らした。
暫くすると嗚咽が聞こえて、私もつられて泣いてしまった。
「降谷…ごめんね、1人にさせて、本当にごめん」
「お前が…殺されたって聞いて…その、すぐ後に、ヒロも死んで……」
「なんでそんなに泣くの…顔見せてよ…」
「……」
「珍しいね…降谷が泣くなんて」
「…見逃せ。よし帰るぞ」
「えっ、私の家逆なんだけどっ!」
「誰がお前の家に返すと言った。
洗いざらい話してもらうからな」
少しの微笑をたたえ、言った。
「じゃあそっちも話してもらうからね」
さっきまでの空気が、台無しだ。
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作者名:鈴蘭 | 作成日時:2019年2月17日 18時