Until your last 1 (香港) ページ24
『話しておきたいことがあるの』
そう連絡があったのは、何の変哲もない普通の日のことだった。
『耀さんちのあの場所で待ってる』
そう短文で締めくくられていた。
その文面から多少の推測もできたろうに、何も不思議に思わなかった自分が恨めしい。
むしろ嬉々として出かけてしまった。
後悔しているかと言われれば、おそらく首を横に振るけれど。
到着してみると、そこにはいつもとどことなく雰囲気の違うAが背を向けていた。
「A、待った的な？」
そんな言葉をかけながら、なんだか恋人みたいだとうっすらと思う。
「あ、香港。大丈夫だよ、早かったね」
彼女は柔らかい微笑みを浮かべてこちらへ振り向いた。
「何でここなんすか？ここら辺何もない的な」
確かにここは二人が初めて出会った場所ではある。ただ、それ以外の意味は持たない。
「何もないからここにしたの」
「今からする話、こんなところでするなんてひどい皮肉だって思われると思う。
でもここしか思い浮かばなかったから…。それにね、」
けじめはしっかりつけておきたいと思ってさ、と彼女は寂しげに呟いた。
嫌な胸騒ぎは収まりを知らず、息ができなくなりそうで、胸が苦しくなっていく。
妙に彼女が遠いものに感じて必死に手を伸ばそうとした。
それなのにゆるりゆるりと彼女はその間を抜けていく。
「分かってたんだ」
それを知ってか知らずか、彼女は思考を遮るように続けた。
「香港が私を一番に考えてくれてるってこと。でも…って言うより、だから、かな。
やっぱり一番に話しておきたくて」
彼女は大きく息を吸い込んだ。しかし大声を出すわけでもなくぽつりと言う。
「私、耀さんと生涯一緒に生きていきます」
その意味をすぐに理解できないほど、俺は自分勝手ではない。
それは自らの恩師が自らの好きな人と結ばれるということ。
すなわち、自分の気持ちが叶うことはもう＿＿＿
「そう、なんすか」
切れ切れに答えるのがやっとだった。
言わなければならない言葉、かけるべき言葉は分かっている。
それなのに、口に出すことができないのだ。
「ごめんなさい」
彼女がゆっくりと頭を下げる。
それは何に対して？結ばれたことに対してなのか、あるいは俺への裏切りに対してか。
「いや…それはさすがに…自己中的な」
気づいていたからといえ、相思相愛などという確証はどこにも落ちていない。
――分かってたくせに。
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月菜(プロフ) - 全然嫌だったとかじゃなくて諸事情により占ツクに来れなくなってしまって.....すいません... (2016年3月7日 19時) (
レス) id: 19ec53993c (このIDを非表示/違反報告)
月菜 - つむり＠味覚音痴領さん» 全然OKです！レス遅くなってすみません; (2015年10月24日 22時) (レス) id: 19ec53993c (このIDを非表示/違反報告)
つむり＠味覚音痴領(プロフ) - 月菜さん» はい！了解です！リクエストありがとうございます！現在、香港のリクエストも残っている＆当方受験生なので遅くなってしまうかもしれませんがよろしいでしょうか…？ (2015年10月12日 8時) (レス) id: f5bac84fb2 (このIDを非表示/違反報告)
月菜 - リクで菊さんのべつver. お願いできますか?シチュエーションはなんでもいいです! (2015年10月9日 21時) (レス) id: 19ec53993c (このIDを非表示/違反報告)
surume - つむり＠味覚音痴領さん» いえいえ (2015年9月22日 22時) (レス) id: 64c8745c50 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つむり | 作成日時：2015年7月9日 21時
