その1-2 ページ2
ピシリッ
ガラスにヒビが入った時のような音が、樋口を中心に木霊した。ように感じた。
気づいてないのは芥川一人。赤面している樋口の顔を見ることなく、その膝の上で心地良さそうに目を瞑っている。
「あ、あぁっ…あくたがっ…芥川先輩っ‼」
胸が高鳴る。今までの人生の中、もしかしたら一番近い距離に、芥川の顔があるのではないだろか。
そう思うほどに、近かった。
そして、無防備にも目を瞑っている。
心臓が飛び出す…という比喩は、簡易な恋愛小説にはよくある表現だが、なるほど、こういう感情をそう呼ぶのか。
一周回って冷静に分析し始めた樋口に、徐に目を開いた芥川は、追い討ちをかける。
「樋口、なかなか心地よい。これならよく休めそうだ」
サッと口元を抑えた樋口。その指の間を、赤い液体が伝っていく。
鼻血である。
私、今なら死んでもいいかもしれない。
樋口は、真面目にそう思った。
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赤雲蒼雲 - 面白かったです!リクエストさせていただきます!出来るなら太宰が中也に○○ドン(何でもいいですw)あと、出来るならキスまd((( あと、ポートマフィアの誰かが与謝野先生の治療を受けるwwwwでお願い出来ますか?待ってます! (2017年4月26日 18時) (レス) id: 08e4520087 (このIDを非表示/違反報告)
進(プロフ) - 再びコメント失礼します!最高としか言いようが無いです!次も楽しみにしています! (2017年2月15日 18時) (携帯から) (レス) id: ceb3e1785e (このIDを非表示/違反報告)
由々 - とても面白い小説ですね。続き、楽しみにしてます! (2017年1月5日 7時) (レス) id: 43ad60d384 (このIDを非表示/違反報告)
ぶどうしゅ(元しだれざくら)(プロフ) - 中也さんの女装ありがとうございます!できたらで良いのですが、中也さんが、太宰さんの服を着たのがみたいです!更新がんばってください!! (2016年12月26日 20時) (携帯から) (レス) id: 7cee4984be (このIDを非表示/違反報告)
火雨楼(プロフ) - この小説好きです!、出来たらで良いのですが、リクエストで太宰さんの女装を作って欲しいです。 (2016年12月24日 14時) (レス) id: d9ee4986d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユキ | 作成日時:2016年11月6日 14時