君との日常

7＊野球選手 ページ33

＊少し長めです＊







｢大きくなったら結婚してほしいです｣

『ええで〜笑

それじゃあAちゃん、それまで違う男の子と付き合ったらあかんでー？笑』



私がまだ小学校4年生、10歳の時。


初めてサインをもらった。初めて野球選手と話した。




憧れの彼はプロ1年目のルーキーだった。


冗談っぽい笑顔で返してくれた西川選手の優しさを、大学生になった今でも覚えている。



あの時の約束なんて、もう覚えられてないんだろうな…

私は西川選手が言った通り、誰とも付き合ってないよ。


告白されても断ってきた。





はぁぁ…


私、なに本気にしてるのかなぁ…


あれから、一度も西川選手とはあっていない。


スタンドからしか見てない。


覚えてもらってるわけ、ないよねぇ…






でも、少しだけ光が見えたの。


杉谷選手のインスタグラムにロッカーの前に座ってる西川選手の写真が投稿された。



ロッカーの奥に、その時渡した私が描いた絵が貼ってあるのが見えた。



｢うそっ、でしょ？｣


今から9年前の絵。


西川選手、私、少しでも期待してていいの？？



．



さつき｢A野球好きでしょ？これチケット余ってるんだけど、今日行く？｣


『え、行きたい…って！これめっちゃいい席じゃん！？』

さつき｢そうなの？？｣


『そうだよ！あの選手に1番近いところ！しかも3塁側!?ベンチすぐじゃん！』


さつき｢私野球全然わかんないんだけど｣


『大丈夫！絶対楽しめる！』


さつき｢Aは西川遥輝って選手が好きなんだっけ？｣

『そうそう。』

さつき｢ふーん。全くわかんないけど、見てみよーっと｣



このチケットが、私の人生を大きく変えたんだ。

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