君との日常

9＊彼氏 ページ29

赤、白、緑、


街の中はたくさんの人で溢れる。


地元、福岡でも昔から変わらないこの雰囲気。


昔と違うのは、隣にAがいること


上手く笑えてる？久しぶりのデート、へったくそな俺の笑顔。




テレビの前では｢クリスマスいらない｣って言っちゃうけど…

AがそばにいるだけでクリスマスがSランクになる。(←語彙力大丈夫？byA)



｢うわぁ！ケーキ！｣

隣のAはケーキに満点の笑顔を降り注いで。


｢ねぇ見て！サンタ！｣

冬の駅前。


ううん。今はサンタよりA。

冷えてる体とは裏腹、ぽかぽかの手。


(このままでいたい…)



『ねぇ、A、』

｢何、？……卓…｣



ｷﾞｭ…



たくさんのカップルで溢れる駅前。

周りの人の目なんて気にしない。





｢…っ卓、人が｣

『もう少し、このままで。』

｢卓……っ！｣



俺より全然目線が低いAの唇。




『A、』

｢恥ずかしいよっもう笑｣

『顔、赤いよ』

｢うるさいなぁ｣

『…笑かわいいなぁ、もう笑』



少し顔の赤いAがマフラーに顔をうずめる。







『こっち見てよ』

｢もうほらっ！行くよ！｣


照れ屋なAだって、たまには甘えてくる。



『A、それ欲しいの？』


Aは真っ直ぐにひとつの指輪を見つめていた。


｢…ううん！か、かわいいなぁって思っただけだよ！｣



ごめんね、行こ？って俺の手をとるA。




『あ、待って、Aお手洗い大丈夫？』

｢あ、そうだね、今行っとこうかな｣


そうやって向かいにあるコンビニのトイレに入ったA。



『あ、あの、すみません、これお願いします。』


ちょっとしたプレゼントぐらい、


きっとこの指輪だって…

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