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34*彼氏 ページ31

*病気系です





「みーずき!一緒帰ろ!」





高校2年生の冬。

今日は瑞輝珍しくオフだから一緒に帰るって決めてたのに。


『ごめん、わり!俺今日用事あるんよ。次な!ごめん!次は絶対!』



その時の私、何かを感じた。

一緒に帰れない悔しさでもなく、瑞輝に対する怒りでもない。


なにかものすごく怖いものを。






みほ「瑞輝、また来てないね。今日で3日目だよ。A何も知らないの?」

『LINEしてもちょっと体調悪いだけー!って。』

みほ「あの人のちょっとはちょっとじゃないんだよなぁ。」


その通り。

そしてまた、あの時と同じ感覚がした。


瑞輝の家、寄ってみよう。






笑顔ででてきた瑞輝のお母さん。

「あの…瑞輝は?」

母「今から時間ある?ちょっと、着いてきて欲しいの。話はそこでした方がわかりやすいと思うから。」




嫌な予感、って当たるもん。

着いたのは大きな病院だったから。





病室の扉を開けると、ベッドの上に座って、笑顔で手を振る瑞輝の姿があった。

「み、ずき…どうしたの?骨折?」


『ううん。俺ね、


白血、って病気なの。』


ニュースで聞いたことある…
血液型のがんって言ってたっけ…


「命は!?瑞輝の命は?大丈夫なの?」


『余命、長くて7ヶ月。


でもね、俺、絶対生きるよ。死なないよ。Aがいるもん。甲子園行くもん。

隠してて、ごめんね。』




瑞輝だけのこの病室。


私の泣き声と、瑞輝の『俺はこの病気に勝つんだよ。だから泣かないで。』の言葉。


そして、私の頭を撫でてくれる瑞輝のお母さん。


なんで、なんで瑞輝なの?

瑞輝には叶えないといけない夢があるの。

甲子園に行くんでしょ?プロになるんでしょ?


なんで…瑞輝なの!


「絶対、絶対私がすぐ側で支えるからね」








そう言ったはずなのに。


タイムリミットが近づくにつれて、細くなっていく瑞輝の体。少なくなる髪の毛。






そんな姿を見る度に泣く私と、


『弱いなぁAは。心配だよ』



強い彼。


『俺なら大丈夫だよ?生きるよ?

甲子園行くんだもん。プロなるんだもん。


だから泣くな。』


本当は瑞輝の方が辛いはずなのに。

*→←*



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オむライス(プロフ) - はるちゅんさん» イメージ通りで良かったです! (2019年9月1日 0時) (レス) id: e648f2af03 (このIDを非表示/違反報告)
はるちゅん(プロフ) - ありがとうございます!そうそう、こんな感じ…です!!最強にイメージ通りです!←日本語おかしい 本当にありがとうございましたっ! (2019年8月31日 23時) (レス) id: 3445983938 (このIDを非表示/違反報告)
オむライス(プロフ) - はるちゅんさん» 了解です!亡くなる系こうせくんので書いたので、すこし話挟んで載せます!リクエストありがとうございます! (2019年8月16日 9時) (レス) id: e648f2af03 (このIDを非表示/違反報告)
はるちゅん(プロフ) - って感じ?かな?でもよくわからなくなりました!どんなシチュエーションかはおまかせします。 (2019年8月16日 9時) (レス) id: 3445983938 (このIDを非表示/違反報告)
はるちゅん(プロフ) - オむライスさん» バットだけどちょいハッピーですかね…例えばきよみーはこっちが好きだったけどこっちは事故死とかで死んじゃうけど、最後に手紙で想いが伝わる… (2019年8月16日 9時) (レス) id: 3445983938 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:オむライス | 作成日時:2019年8月6日 16時

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