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No.side
穴の中に2人の影が消えた後。残された6年生たちと学園長は神妙な顔をしていた。
「まったく…穴掘りにAまで付き合わせるなんて…」
「楽しそうだったからいいんじゃない?」
「誰がこの穴埋めると思ってんだ!」
いつもの会話、いつもの風景のように見えるが、少しだけ暗い雰囲気が当たりを包み込む。
誰が何を言うわけでもなく、その場にいた全員は歩き出した。
「……学園長先生、1つよろしいでしょうか。」
「なんじゃ?」
「何故、あそこまでして彼女を引き止めるのですか?怪我ならとっくの昔に治っていますよね?先程の理由も、少しばかり無理があるのではないかと思いまして…」
「…クロハツ城が、未だに天人族を追っているそうじゃ。」
「それって、ここにいるのがバレたってことですか!?」
「まだここには行き着いておらん。じゃが、今Aがここを出れば確実に見つかる。他の城も協力していると聞いた。」
その言葉に、6年生たちはとても嫌な予感がした。
クロハツ城だけならまだしも、他の城も協力しているとなると、その力は計り知れないだろう。
「……もういっその事、彼女に話してみてはいかがですか?彼女自身の問題なのですから、隠しておく必要はないのでは?」
「Aのことだ。狙われていると分かれば容赦なく交戦してしまうだろう。そうすれば、人間と天人族の溝は深まっていくばかりだ。」
「そういうことじゃ。おぬしらは、Aと過ごしてきた時間で何を感じた?何も思った?それをよ〜く、考えるのじゃ。」
そう聞かれて彼らが考えたのは、少女の綺麗な笑顔。優しく話す様子……今までの交流の中で感じた感情だ。
「人間だからとか、天人族だからとか…関係なく接したい。」
「あぁ、もっと隔たりなく話がしたいな。」
「AはAだ。」(モソッ
「今の関係性を変えたい。しかし、簡単ではないだろうな。」
「どうしたらいいのか、皆で考えよう!きっと何か方法があるはずだよね!」
「ではまず、クロハツ城をどうにかしなくてはな。」
一致団結。その言葉がぴったりだと思うほどに気持ちは1つになった。その様子を見て、学園長は満足気に笑う。
「それでは、上級生と職員全員で対策会議をする!皆を集めるのじゃ!!」
意気揚々と宣言をした学園長先生に生徒たちは息を揃えて返事をする。
こうして、人間と天人族の仲を変える作戦が立てられることになった。
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櫻井あよ(プロフ) - すずはさん» 私は、Kという名前です。フォローよろしくお願いします〜、 (3月28日 16時) (レス) id: e8ac715e1d (このIDを非表示/違反報告)
すずは(プロフ) - Megumiさん» コメントありがとうございます。こちらからDMの方送らせていただきました。確認お願いいたします。 (3月27日 15時) (レス) id: 2f649bb5f7 (このIDを非表示/違反報告)
すずは(プロフ) - 櫻井あよさん» コメントありがとうございます。よろしければ、Twitter登録名を教えていただけると幸いです。アカウントが確認でき次第、フォローさせていただきます。 (3月27日 15時) (レス) id: 2f649bb5f7 (このIDを非表示/違反報告)
Megumi(プロフ) - Twitterの方フォローさせていただきましたMegumiと申します。パスワードを教えていただきたいです!よろしくお願いします (3月27日 12時) (レス) @page50 id: 2b7b46d822 (このIDを非表示/違反報告)
櫻井あよ(プロフ) - Twitterの方をフォローしました、DMを送りたいのでフォローして欲しいです。 (3月26日 12時) (レス) id: e8ac715e1d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:すずは | 作成日時:2022年9月14日 12時