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私は目一杯引っ張った矢を離そうとした──────



「……おぬしは完璧なまでの詐欺師じゃなぁ。」

『なにを…』

「これでもおぬしよりも長く生きておるんじゃ。あまり、舐めないで欲しいのう。」



学園長先生は自分に向けられた矢を素手で掴んで、にこやかに微笑んだ。私は真顔でそれを見つめた。



「確かにわしらはおぬしを警戒するべきなのかもしれぬ。しかし、おぬしがこの学園を守ってくれているというのもまた事実じゃ。」

『……そうですね。』

「天人族ではなく、おぬし自身がわしらのことを敵対しているなら、そんなことする理由はないじゃろう?」



図星をつかれた私は大人しく弓矢を下ろした。そして、髪を耳にかけて困ったように笑う。



『バレちゃいましたか……こんなことをされてまで私をここに置いておきたいんですか?』

「もちろんじゃ!」

『理由は?』

「今までの行い、おぬしの人柄。そして、何よりも……」

『?』

「教師の勘じゃ!!」



これまでの流れから、どんないいことを言われるのかと構えていると、堂々と勘だと言われてしまった。その言葉に私たちは鳩が豆鉄砲をくらったようになった。



『結局そこなんですか!?』

「そうじゃ!長年教師をやってきて、そういう勘を信じて間違ったことはない。わしにとっては、忍たまであってもなくても子供の表情や行動から本当の心情を感じ取るのは容易じゃ。」

「……確かに、学園長先生の突然の思いつきは大変なことも多いが、それよりも多くのことを学べるいい機会になっている。」

「それは、長年培ってきた勘から来るものなのかもね。」

「さすがだ…」(モソッ

「それでもほどほどにして欲しいがな…」



なんか、いい感じにまとまっているが、話はまだ終わっていない。私はそれでも……



『学園長先生、やっぱり私は……』



"この学園を出ていく"そう言おうとした瞬間、どこかから矢が飛んできた。

生徒たちは咄嗟に学園長を守るが、私は条件反射のように体が動いていた。




パンッ…!!──────────────────




心地のいい弦音が鳴る。


森の中から飛んできた矢と、私が放った矢が真正面からぶつかる。


矢は空中分解をしてバラバラと地面に落ちた。



『……あそこか。』



私は続けて、弓矢を構えて放った。

森の中からは誰かの汚い声が聞こえて、ガサガサと何かが落ちた音がした。

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櫻井あよ(プロフ) - すずはさん» 私は、Kという名前です。フォローよろしくお願いします〜、 (3月28日 16時) (レス) id: e8ac715e1d (このIDを非表示/違反報告)
すずは(プロフ) - Megumiさん» コメントありがとうございます。こちらからDMの方送らせていただきました。確認お願いいたします。 (3月27日 15時) (レス) id: 2f649bb5f7 (このIDを非表示/違反報告)
すずは(プロフ) - 櫻井あよさん» コメントありがとうございます。よろしければ、Twitter登録名を教えていただけると幸いです。アカウントが確認でき次第、フォローさせていただきます。 (3月27日 15時) (レス) id: 2f649bb5f7 (このIDを非表示/違反報告)
Megumi(プロフ) - Twitterの方フォローさせていただきましたMegumiと申します。パスワードを教えていただきたいです!よろしくお願いします (3月27日 12時) (レス) @page50 id: 2b7b46d822 (このIDを非表示/違反報告)
櫻井あよ(プロフ) - Twitterの方をフォローしました、DMを送りたいのでフォローして欲しいです。 (3月26日 12時) (レス) id: e8ac715e1d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:すずは | 作成日時:2022年9月14日 12時

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