121 ページ23
.
『〜♪』
まるで、違う世界に来たかのようなワクワク感を感じた私は、陽気に鼻歌を歌いながら、掃除をしていた。
「ちょっと、そこのアンタ。」
『はい?私ですか?』
「そうだよ。綺麗なお嬢さん。ここら辺じゃ見ない顔だけど…」
『あ、初めまして。私はちょっと離れたところに住んでいまして…ここに来たのは今日が初めてなんです。』
「そうだったんだね。わたしはここの大家です。」
「わたしは隣に住んでるおばちゃんだよ。ねぇねぇ、ここの家主とはどういう関係なんだい?」
「おばちゃん、いきなり聞いたら失礼だろう?」
「何言ってんだい、大家さんだって気になるだろう?」
「ま、まぁ…」
「今まで女っ気の1つもなかった半助がこんな可愛い子連れてくるなんて…!アンタがきり丸の母親なんだろう!?どうなんだい!?」
『え、き、きり丸くんですか?』
大家さんとお隣さんは、私に話しかけてくるやいなや、どんどんと距離を詰めてきた。私は思わず後退りをするが、それよりも近づいてくるスピードの方が速い。
『わ、私は…土井先生のお手伝いに来ただけで……きり丸くんの母親じゃありません。』
「……本当に?」
『本当です!』
「照れなくてもいいんだよ。半助と恋仲なんだろう?」
『照れてないです!私が土井先生と恋仲だなんて、恐れ多くて……』
「それじゃあ、きり丸の姉かい?半助とも兄弟とか…」
『それも違いますよ!私はただ…!』
「大家さん、隣のおばちゃん?何してるんですか?」
どんどんと妄想が膨らんでいく2人に、否定をし続けていると、救いの手が差し伸べられた。
いつの間にか私の背後に立っていた土井先生は、私の肩を抱いていつもの笑顔を向けてくれている。
「半助…!アンタ、こんな可愛い子どこで捕まえたのよ。水臭いわねぇ、早く紹介してくれればいいのに。」
「何を勘違いしているのか知りませんが、彼女はわたしの学校で事務をやってくれている子なんです。おばちゃんたちが思っているような関係じゃないですよ。ね?」
『は、はい!そうです!』
素晴らしい助け舟を出してくれた土井先生に感謝しながら、飛び乗った。しかし、大家さんとお隣さんは微妙な顔をしている。
「そういうことなんで、もういいですか?今から昼食なので。」
「……分かったわ。」
「……今度は家賃滞納するなよ。」
土井先生は「分かりました〜。」と言って私の手を引いて家の中へ入った。
25人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
櫻井あよ(プロフ) - すずはさん» 私は、Kという名前です。フォローよろしくお願いします〜、 (3月28日 16時) (レス) id: e8ac715e1d (このIDを非表示/違反報告)
すずは(プロフ) - Megumiさん» コメントありがとうございます。こちらからDMの方送らせていただきました。確認お願いいたします。 (3月27日 15時) (レス) id: 2f649bb5f7 (このIDを非表示/違反報告)
すずは(プロフ) - 櫻井あよさん» コメントありがとうございます。よろしければ、Twitter登録名を教えていただけると幸いです。アカウントが確認でき次第、フォローさせていただきます。 (3月27日 15時) (レス) id: 2f649bb5f7 (このIDを非表示/違反報告)
Megumi(プロフ) - Twitterの方フォローさせていただきましたMegumiと申します。パスワードを教えていただきたいです!よろしくお願いします (3月27日 12時) (レス) @page50 id: 2b7b46d822 (このIDを非表示/違反報告)
櫻井あよ(プロフ) - Twitterの方をフォローしました、DMを送りたいのでフォローして欲しいです。 (3月26日 12時) (レス) id: e8ac715e1d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:すずは | 作成日時:2022年9月14日 12時