神様たちは地上を望む〈kamuitale〉 (ページ39)

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幻影フレーズ【９】ページ39

「やっと、出られました」

回廊を抜けるだけでまさかあの後二回倒されるとは。

もうあと猶予は二回。

次の部屋…扉を開けて驚いた。

そこは王宮なんかじゃなく、ショーのステージ。

次の敵はライアーか、そう思っていたけど。

「アハッハッハハ、メイデンチャンいらっしゃーい」

奇妙な笑い、おかしなテンション。

こいつ…ドラッグ。残機もうすくないんだから急ぎたいのに。

「先に進みたいです」

「え～、マズハ薬漬け？ソレトモ拷問？どっっちがいーい？」

ダメ、話が通じない。普段でも通じる相手じゃないけど。

どうしたものか、考え込んでいたら。

「お返事しないワルイコニハこれ、プレゼントしちゃうね☆」

無駄にうざったい口調で告げると、何かをこっちに投げた。

パリンッと音を立てて瓶が割れた。

そこら中にまき散った液体。

「このオクスリはねえ、すぐ気化して毒ガスにナルンダヨ！」

そんなとこだと思った。すぐに体がしびれてくる。

息もうまく吸えなくなってくる。苦しい。

「ほらホラ、もっとアガイテいいんだよ～♡」

やっぱりこいつは苦手だ。でも話せるうちに言っておこう。

「うるさいですよ、プログラムのポリゴン野郎」

せめてものいら立ちをぶつける。ここで止まってしまうじゃないか。

「あ～♡遠慮ない言葉、大好きだヨ‼」

意識も朦朧としてきた。

そんな中飛び込んできた彼の言葉。

「ダイジョウブ。次の時は邪魔しないからネ」

こいつはコンテニューを理解しているのか。

はあ、もう困ったものだ。

「あと一つ。」