貴方の名前 ページ7
「…大丈夫じゃないでしょう。見るからにひねってるじゃないですか」
彼は表情をあまり変えずこちらを見やる。
「あ、えっと、ほ、保健室いかなきゃだよねッ！」
そうして慌てて立ち上がる。
しかし痛みでうまく力も入らずぐらりとバランスを崩した。
「いきなり立つのは無理でしょう、この状態で」
それをいともたやすく支える彼はやけに慣れた手つき。
「随分人を支えるのに慣れてらっしゃるんですね」
「…友人がよくこけるもので」
その人、まるでエルナさんみたいだよなあ。
エルナさんもよくこけてたから。
「とりあえず保健室に連れていきますよ。ここから近いですし」
「う、うんありがとう………！？」
彼は当たり前のように私をお姫様抱っこで運ぼうとする。
「ま、待って！？なんでこうやって運ぶの！？」
「いや立てない人をおんぶするのも無理ありますし」
いくら人が少なかろうと誰かに見られたらどうするの！？という考えも
流石に善意で運んでくれてるのでいうこともできず。
結局保健室までこの体制でした。はい。
＝＝＝
「とりあえず包帯巻きましたから、もうしばらく休めばいいと思いますよ」
「本当にありがとうございます！こんな、見ず知らずの私に優しくしてくださって…」
本当に助かった。一時はあのままどうなることかと思った。
というか何故この人はあんな人のいないところにいたのか。
「私は言読Aです。あの、よろしければ今度お返しをさせていただけません？」
「…俺の名前は…「トンきゅんこんなところにいたっスか〜！」…はあ…」
勢いよくドアを開けて入ってきたのはうさ耳を付けた少年。
…というか知り合い同士みたいですね。
「ってちょっと誰すかこの美人さん！？
トンきゅんいつの間にこんな一大青春イベントしてたんすか！？」
あまり叫んだらいけないと思うんだけどな…？
ここ保健室ですし。
「俺たちはもう戻りますね。くれぐれもしっかり休んでから戻るんですよ？」
「あ、ありがとうございました！えっと……トンきゅん、さん！」
できるだけ笑顔で、できるだけ大きな声で。
すると彼も少しだけ微笑んで返してくれた。
「ええ、お大事に。Aさん」
その顔が、たとえ口元が隠れていてもとっても綺麗でした。
〜〜〜
(あの人美人さんだったっスね〜)
(…………。)
(トンきゅん耳、真っ赤っスよ？)
(…。)
(ちょっと！無視しないで欲しいっス！)
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こひな(プロフ) - さとう。さん» ありがとうございます〜！ミカグラもうずいぶん前の作品なのでこうして面白いと言っていただけてすごく嬉しいです！ありがとうございます！！！ (2018年11月15日 21時) (
レス) id: f35a13aa1c (このIDを非表示/違反報告)
さとう。(プロフ) - 面白いです、！更新楽しみにしてます！ (2018年11月15日 21時) (レス) id: a9ffbbba50 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こひな | 作成日時：2018年8月25日 1時
