本当の気持ち ページ40
トンきゅんの部屋についた。
少し緊張しながら、ドアをノックした。
「…Aさん?」
思っていたよりずっと早く出てきた彼は少し元気がなかった。
「ちょっと、話いいかな」
そう言って私は彼の部屋へと入った。
===
「それで、要件っていうのは…?」
お茶も出して完全におもてなしモード。
でもわずかな伏せられた、悲しそうな目。
でももうこんな機会ないかもしれないから。
「えーと、さっきちょっと…告白、されたの」
「え」
驚きと悲しみの混じった顔をされる。
「それで、告白は断ったんだけど…。
言われるたびに頭の中にほかの人が浮かんじゃうの。
優しくて、まじめで、でもちょっといじわるで…。」
まだ伝わってないのか、彼はどんどん泣きそうな顔になる。
「それでね、ちゃんとその人に伝えなきゃって思ったの。
…好きだよ、トンきゅん」
急にそんなことを言われて戸惑ったのだろうか。
彼はこちらを信じられない、という目で見つめる。
「それは、本当に…?」
「うん、本当だよ」
すると彼の頬はどんどん色みを増して、赤く染まった。
「そ、そういうのは男から言うもんじゃないですか…!?」
「…へんじ」
消え入りそうな声でそう急かすと、彼はさらに赤くなった。
「勿論、俺もAさんが大好きですよ」
蕩けるような甘さが体を打つ。
恋、なんだ。
「本当は、先輩たちに嫉妬したんです。それでどうしようもなくなるくらい、大好きです」
どんな恋愛小説で読むよりずっと甘い。
そうして彼は、私に触れるだけのキスをした。
あったかくて、優しくて。
君が今日で私の友達から恋人になった事実にこの上ないほどうれしさを感じた。
「恋人としても、よろしくお願いします」
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こひな(プロフ) - さとう。さん» ありがとうございます〜!ミカグラもうずいぶん前の作品なのでこうして面白いと言っていただけてすごく嬉しいです!ありがとうございます!!! (2018年11月15日 21時) (レス) id: f35a13aa1c (このIDを非表示/違反報告)
さとう。(プロフ) - 面白いです、!更新楽しみにしてます! (2018年11月15日 21時) (レス) id: a9ffbbba50 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こひな | 作成日時:2018年8月25日 1時