弱点 ページ15
「…勝っちゃった」
その一言を発してから自覚するまでおよそ三秒。
自分よりずっと格上のひみ先輩に勝てたことに信じられず呆然とする。
「…えっと、Aちゃん…本当に一年生!?」
ひみ先輩の驚いた声が響く。
一年生ですよ。ちゃんと。
「いっや〜…Aちゃん、本当に強いね!?」
赤間先輩の明るい声も耳に届く。
そして…エルナちゃんの後ろにいるガム食ってる人誰ですか。
===
「もう、ビミィ、来てたなら言ってよね!!」
エルナちゃんの言うには、この人はビミィ先生らしい。
えっと、ビミィ先生人だったってこと??わけわからない。
でもなぜかみんなあんまり気にせずさっきの対抗戦について話している。
「でも、Aちゃんの能力なら誰にでも勝てるんじゃない?」
とエルナちゃん。
「いやいや、私先輩たちみたいに実践も積んでないんだよ?無理だよ〜」
ひらひらと手を振って柔らかく否定するものの、
エルナちゃんはそうとも思っていないみたいだ。
「オイラはAの能力にも弱点はあると思うぜ?」
「Aはおそらく言葉を武器とするから、こうされると手が出ない」
こう?どうすると?
疑問符を浮かべている間に私の顔に色白の手が近づいた。
ますます訳が分からなくなっているうちにそれに口をふさがれてしまう。
「!?むー!?んんんんん!!?」
先生の方を見ると、幼いいたずらっ子のような笑みを顔に浮かべている。
この人確信犯じゃん!
「ね?声が出ないと戦えないだろ?」
それを見たみんなから…えっと、すっごい殺意がするんですけど。
「ビミィ!!!Aちゃんの唇に最初に触るのは私なの!一宮エルナなの!!」
「先生ー?セクハラで訴えられるよ〜?ひみ、訴えてきちゃうよ〜?」
待ってひみ先輩の笑顔が黒い。
ビミィ先生もあからさまに「ヤッベこれ地雷踏んだ」と言わんばかりの顔をしている。
そのまま勢いでばっと手を離されたのでびっくりしたものの、
みんなの視線がこっちに向いているのを見てさらに驚く。
「Aちゃん、今すぐ消毒してあげるね!?ほらこっちむいてそのかわいらしい唇と私の唇を…」
あ、エルナちゃんが壊れちゃった。
というかそれよりも、なんでまだみんなこっち見てくるの!?
「ん〜…Aちゃん、顔真っ赤」
にゃみりん先輩に指摘され、余計真っ赤になる。
あと…男性陣も顔真っ赤なんだけどなんかあった?
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こひな(プロフ) - さとう。さん» ありがとうございます〜!ミカグラもうずいぶん前の作品なのでこうして面白いと言っていただけてすごく嬉しいです!ありがとうございます!!! (2018年11月15日 21時) (レス) id: f35a13aa1c (このIDを非表示/違反報告)
さとう。(プロフ) - 面白いです、!更新楽しみにしてます! (2018年11月15日 21時) (レス) id: a9ffbbba50 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こひな | 作成日時:2018年8月25日 1時