【声優】私が恋した文系声優【堀江瞬】

よんぺーじ ページ5

新居へと到着。


しかし、女1人で運ぶのも一苦労だ。


『あぁ…疲れたぁぁ。』


一軒家の玄関。


弱音など吐いている暇はないのだけれど、


根暗の引きこもりに過激な運動は禁物だ…


よし！と気合いを入れて本が入ったダンボールをリビングへと運ぶ。


しかし、さっき運んだままだったぬいぐるみに足を奪われ、倒れそうになる。


その刹那


「あっぶねぇ…」


「あわわ…大丈夫？！」


『…え……？』


私の体と荷物が宙に浮いている。


『お兄ちゃん？』


「危ないだろって！なんで呼ばないんだよ。」


『ご、ごめん…あ、あと…ありがとうございます？』


体を支えてくれていたお兄ちゃんの友人と思われる人の方を振り向く。


『え…』


振り向くとともに思考停止状態になる。


「え、えへへ…お、お邪魔します…」


『ほ、ほりえ、る…？』


お兄ちゃんの方に勢いよく顔を向ける。


兄の顔は自慢気だった。


「ホ、ホリエルだよ〜！」


『あ、あぁ！！』


憧れの人が目の前にいる…


状況を飲み込むにつれ、 自分の顔が熱くなるのが分かる。


『お兄ちゃん？！』


「へへ〜ん！」


声優になれたから、会うために頑張ってきたのに…


『うぅ…おにいぢゃんのばぁがぁぁ！』


今までの努力はなんだったんだ…


一瞬にして水の泡となってしまった。


ホントに最悪。

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