▽桜色で彩って ページ9
「うっ…にがい…」
「良薬は口に苦しって言うじゃない」
お水入れてあげるから、と私を宥めるママ。
ピンクのプラスチックのコップにおかわりの水が注がれた。
…というのも、昨日お医者さんから病気や事故について聞かされ、あれよと言う間にたくさんの薬が出されたのだ。
カタカナがいっぱい…
正直薬の名前なんて覚えられないけど、美味しくないものであるのは確かだった。
「ママ、彩が病室で着る替えの服を昨日家に忘れてきちゃったのよ」
そう言いながら昨日の診察の後と同じようにお見舞いに来てくれた(まぁそのとき私は疲れて寝ちゃってたんだけどね)。
今朝起きたときにクロキ君も来てくれてたけど、ママが来る前に帰ってしまったんだんだ。
紹介したかったのに、残念。
「調子はどうなの？」
肩を落とす私に、ママは話題を変えた。
「ちょっと怠いかも」
まぁ、ずっと寝てたから仕方ないのかもだけど。
動かないから食欲もないし、体力だって全然ない。
それにさっきから微熱が出てしまったんだ。
「私、病気あるんだよね…？」
恐る恐るママに目を向けた。
昨日診察室で医師に聞かされた話。
今朝クロキ君と話したから幾分か気持ちは和らいだものの、やっぱり気分はナーバス。
この体の不調、治るのかなぁ…
「そんなに心配そうな顔しないの！」
大丈夫よ、とママはいつもの調子で軽く言う。
「お医者様も言ってたでしょ、絶対治る病気って！」
絶対治る、とまでは言われなかった気がするけど…
訝しむ私をよそに、ママはポンと私の肩を叩いた。
「その体調不良も薬の副作用のせいだから、何も心配することないのよ」
ほら、しゃんとしなさい。
記憶にある昔と全く同じように喝を入れるママに、なんだか私は安心してしまった。
寒いときに温かいものを飲んだときみたいに、胸がじんわりと温かくなる。
どうしてママの言葉って安心するんだろう…母性かな。
「副作用もすぐに治まるわよ」
全く手のかかる子ね、とママは笑う。
お転婆な奈子につきっきりだったママからそんな言葉が私に向けて出るなんて、なんだかくすぐったい。
「ね、私いつまで入院なの？
奈子やパパやお兄ちゃんにも会いたいな」
私が目覚めた昨日から今日までに会った知り合いは、ママとクロキ君だけ。
病室には何もないし、お見舞いに来てくれる人がいない時間は少し寂しいんだ。
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小町(プロフ) - 秘月さん» ルア〜！！ありがとう！そんなに好きでいてもらえて嬉しい！占ツクやめた後もTwitterの方で二次創作していくから見つけてね笑 (5月19日 21時) (
レス) id: 4e259400e5 (このIDを非表示/違反報告)
秘月(プロフ) - こっちゃんの引退、めちゃくちゃ寂しいです、、1年くらい前にこっちゃんに会って、お話のアドバイスもくれたり（笑）して、とても嬉しかったよ〜〜！！こっちゃんのお話のスタイルとても好きなのでこれからも過去のお話も読み続けます。またお話しようね。 (5月13日 1時) (レス) @page5 id: 269ba6d569 (このIDを非表示/違反報告)
小町(プロフ) - 読者さん» コメントありがとうございます。嬉しいお言葉もありがとうございます！私も寂しくないと言ったら嘘になってしまうのですがそのようなことを言っていただけて、ここで活動してきてよかったなと改めて思いました(^^)完結まで見守って頂けたら幸いです！ (5月12日 21時) (レス) id: a89f3eeedf (このIDを非表示/違反報告)
読者 - 引退してしまうのは…すごく、さびしいですが…。私は、小町さんの作品が大好きです！それは、小町さんが引退されても変わりません!!投稿頑張ってください！ (5月11日 18時) (レス) id: bd229e453e (このIDを非表示/違反報告)
小町(プロフ) - あき@草売り大魔王さん» 憧れのあきさんからお褒めの言葉を頂けてとても嬉しいです…！その上いつも読んでくださってたなんて…！！ありがとうございます！引退は少し寂しいような気もしますが、いい作品にできるように頑張ります！ (2023年5月6日 13時) (レス) id: a89f3eeedf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小町 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/hopwe021/
作成日時：2023年5月5日 8時
