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私の異変を察した彼はナースコールを押してくれたらしく、バタバタと病室に入った看護師さんが私を落ち着かせてくれた。
その後看護師さんが再び去った病室に不思議が空気が流れ込む。
温かくて、どこか冷たい。
「焦ったよ。まぁ、なんともないみたいでよかった」
「俺の名前は伏せておくよ。きっと知らない方がいい」
そうは言われてもなんだか納得がいかない。
私のあだ名は知っておいて、こちらは全くわからないままなんて不公平だ。
頬を膨らませながら、そのときピコンと閃いた。
「じゃあ、クロキくん」
適当なニックネームだってないよりはマシだ。
名前を知れないのなら作ってしまえばいい。
きれいな黒髪をしている彼にはきっとピッタリな名前。
「…！！」
ガタッと椅子が音を立てた。
見れば彼がそこに佇んでいるではないか。
何をそんなに驚いているの、ってこっちが驚いてしまうくらいの見事なオーバーリアクション。
「どうして……どうして、そう呼ぶんだ？」
目を丸くさせたクロキ君(仮)
なんで、と言われてもなんとなくとしか言えない。
彼、クロキ君を見ていたらそんな文字が浮かんできたから。
そのままに言葉を口にしていると、だんだんと緊張で体が固まってきた。
一体、この呼び名の何が彼を揺さぶったのだろう。
彼は、何を抱えているのだろう。
目を向けると、その黒い瞳に海のような闇は幾分薄らいでいた。
窓の外に座るピンクの桜のツボミが彼の瞳に反射してきれいだった。
「君って人は…」
髪を揺らして長く息を吐く。
海のずっと底のような闇を湛えたその瞳が、静かに私の胸を打ったんだ。
私とクロキ君は知り合いだったのかもしれない。
ずっとずっと仲の良かった、友達と呼べる間柄だったのかもしれない。
わざわざお見舞いに来てくれた彼。
本当の名前は依然わからないけど、孤独感と疎外感が少しずつ和らいでいく気がした。
つぼみをつけた桜の枝が窓の外で風に揺らぐ。
モノクロの病室に光が灯った。
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小町(プロフ) - 秘月さん» ルア〜！！ありがとう！そんなに好きでいてもらえて嬉しい！占ツクやめた後もTwitterの方で二次創作していくから見つけてね笑 (5月19日 21時) (
レス) id: 4e259400e5 (このIDを非表示/違反報告)
秘月(プロフ) - こっちゃんの引退、めちゃくちゃ寂しいです、、1年くらい前にこっちゃんに会って、お話のアドバイスもくれたり（笑）して、とても嬉しかったよ〜〜！！こっちゃんのお話のスタイルとても好きなのでこれからも過去のお話も読み続けます。またお話しようね。 (5月13日 1時) (レス) @page5 id: 269ba6d569 (このIDを非表示/違反報告)
小町(プロフ) - 読者さん» コメントありがとうございます。嬉しいお言葉もありがとうございます！私も寂しくないと言ったら嘘になってしまうのですがそのようなことを言っていただけて、ここで活動してきてよかったなと改めて思いました(^^)完結まで見守って頂けたら幸いです！ (5月12日 21時) (レス) id: a89f3eeedf (このIDを非表示/違反報告)
読者 - 引退してしまうのは…すごく、さびしいですが…。私は、小町さんの作品が大好きです！それは、小町さんが引退されても変わりません!!投稿頑張ってください！ (5月11日 18時) (レス) id: bd229e453e (このIDを非表示/違反報告)
小町(プロフ) - あき@草売り大魔王さん» 憧れのあきさんからお褒めの言葉を頂けてとても嬉しいです…！その上いつも読んでくださってたなんて…！！ありがとうございます！引退は少し寂しいような気もしますが、いい作品にできるように頑張ります！ (2023年5月6日 13時) (レス) id: a89f3eeedf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小町 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/hopwe021/
作成日時：2023年5月5日 8時
