【募集企画】東方幻想記録物語 15巻 (ページ36)

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剣と刀と友人と…　天宮蒼ページ36

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「ふぅ…。本物の剣を持つのはこれが初だが…今までの練習の成果か、結構切れるものだな…。」

　昨夜のキャンプ地でアンラが片付けをしている間、何が起こっても不思議ではない幻想郷…一応剣の練習を巻藁を相手にしてみていた。
　剣も巻藁も勿論アンラが用意した物なのだが、アンラが言うにはこの剣は蘭陵王が使っていた物にかなり似せた物らしい…別にそこまで頼んではいないのだが。
　でもまぁ、切れ味はかなり良いようで藁もスッと綺麗に切れている。

『こういう藁って日本刀で斬っているイメージがあるが…長剣でやっても大丈夫だったのだろうか…？』

　そんな疑問を呟きながら剣を眺めていると…

＿＿ガサッ

『…！誰だ！』

　すぐ近くの草むらから聞こえた物音に反応し、咄嗟にその方向へ剣先を向ける。
　アンラがいる場所とは逆方向…ならばおそらくアンラではないだろう。
　幻想郷には人を襲う妖怪達が沢山いる…今は夜ではないとしてもここは深めな森の中、そういうものが現れても不思議ではないかもしれない。
　緊張感と静粛に包まれた時間が少し続き、そんな空間に耐えられないと思ったのか草むら一人の物陰が現れた。
　

「えっと…怪しい者じゃないから、剣を下ろして欲しいなぁ…なんて？」

　自分より年齢は上であろう、着物を着た茶髪の青年。
　少し困ったように笑う彼を見ながら、殺気などは感じなかった為剣をゆっくりを下ろし、咄嗟といえど剣を向けてしまった事を謝る。

『…申し訳ない、反射的に貴方に剣を向けてしまい…。』

「いやいや、大丈夫だよ～！物陰から見てた僕も悪かったしさ…！」

『えっと、私の名前は天宮蒼。貴方の名前も伺っても良いか…？』

「うっ、うん！大丈夫だよ！えっと、僕の名前は沖田佐久。宜しく…！」

　少し強張った笑顔でそう名乗って一礼をした彼に習い、自分も咄嗟に一礼をして返す。
　話してみると、どうやら彼も私と同じ外から幻想入りした者らしく、ここの詳しい説明を聞かせてあげた。
　他にも剣に関しても彼は知識などがあるらしく、剣関連の話をしていると大分彼も緊張が解けたのか先程よりも自然な笑顔を見せるようになった。
　すっかりお互いも打ち解けた頃には片付けも終わったようでアンラも戻ってき、どうせならと言う事で彼と一緒に会場に観戦しに行く事に。
　会場に行くまでに予想外の出来事が起きたが、まぁ新たな友人ができたので良かった…のかもしれない。