愛しい世界

使用人 ページ21

「「「お帰りなさいませ。無惨様、Aさん。」」」

『ただいま帰りました。』

鬼「……」

『無惨。着替えてくるから、手を離して？』

鬼「……」

『無惨…』

ヒョイッ

鬼「！！」

恭「Aが困ってるだろ。」

鬼「貴様…毎度毎度邪魔をするな！！」

恭「Aの気持ち考えてやれよ。」

鬼「煩い！！知ったような口を聞くな！！」

琴「さ、Aちゃん。今のうちに行きましょう？」

『…うん。ありがとう、琴葉さん。』

鬼「降ろせ！！私は1秒たりともAから離れたくないのだ！！」

恭「着替えくらい待ってやれよ。お前がそうやって騒ぐからAは毎回ゆっくりできねぇんだよ。」

鬼「くっ…Aに拾われたからといって、調子に乗るなよ。Aのことを一番知っているのは私だ。貴様ではない。」

恭「調子に乗っているつもりはないが。」

鬼「なら私を離せ！貴様はこの家の使用人だろう！」

恭「俺はA専属の使用人だ。お前の使用人ではねぇからお前の言うことは聞かねぇよ。」

鬼「生意気な…私はお前を解雇することも出来るのだぞ！」

『無惨？』

鬼/恭「「！！」」

『勝手に恭梧さんのことを解雇しようとしないで。』

鬼「…すまない。」

『恭梧さん。あまり無惨を挑発してやらないでください。』

恭「…Aが言うなら。」

『無惨を降ろしていただけますか？』

恭「ああ。」パッ

鬼「A！もう離れるな！！」ギュッ

『ごめんね、無惨。でも、着替えだけは許して欲しいな。』

鬼「……」

『ちょっとの間だけだから。』

鬼「…わかった。」

『ありがとう。』

(((このやりとり、明日もするんだろうな…)))

『それじゃあ、皆さん！持ち場に戻って下さい！』

「「「はい！！」」」

鬼「A、今日は何をするつもりだ？」

『今日は晩御飯をつくるよ。』

鬼「Aが？」

『嫌だった？』

鬼「いや、Aの料理は楽しみだが、Aが料理をするということは、誰か来るのだろう？」

『そうだよ。』

鬼「…誰だ。」

『巌勝さん、縁壱さん、響凱さん、悲鳴嶼さん、耀哉さんだよ。』

鬼「継国縁壱！？産屋敷！？アイツらが来るのか！？」

『うん。無惨は相変わらず二人のことが苦手だね。』

鬼「アイツらは学校で会うだけで十分だろう。わざわざ家に呼ぶ必要がない。今すぐ来るなと伝えろ。」

『駄目だよ。縁壱さんも耀哉さんも家に来るの楽しみにしてくださってたから。』

鬼「A…」

『だーめ。』

鬼「チッ…」

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