愛しい世界

金魚のフン ページ16

男「なあなあ、俺先輩から聞いたんだけどさ、継国って一個上らしいよ。」

女「何で継国さんの話題出すの…」

男「えっ、でもそれマジ？一個上って、留年したってこと！？」

男「何で？何で留年したんだ？」

男「その先輩によると、去年一回も学校に来てないらしい。」

女「出席日数足りなかったってこと？」

男「学校に行かないで何してたんだろうな。」

女「でも何で今？一年間空席あったら誰が来てないのか気になって覚えてそうなのに。」

男「何か入学式の翌日から席がなくなってたらしい。」

女「どゆこと？」

男「分かんねえけど、入学式の日に継国って奴が休んでたって言ってた。でも、一年前の記憶だし、名簿にも名前が載ってなかったから、あんま信じないでくれとも言ってた。」

女「確証ないんかい。」

男「でも、うちの理事長と継国は親戚だか何だかっていう噂あるしな。名簿とかそこんところ、融通効きそうだよな。」

女「えっ、そうなの！？あのめちゃくちゃ温厚で優しい理事長とあの悪魔みたいな継国が親戚！？」

女「本当に血繋がってる？」

男「血が繋がってるのは無惨君の方らしいけどな。」

女「あーなるほど。納得。それはあるわ。わかるわかる。」

男「確かにあの二人顔も似てるよな。」

女「やっぱり親戚でも性格は似るんだね。」

男「ってなるとやっぱり継国って謎だよな。無惨と苗字違うし…」

女「えっ待って。無惨君と理事長が親戚で、巌勝先生と縁壱先生の従兄弟が継国さん…？どうゆう家系図してんの？」

男「頭こんがらがってきた。」

男「継国には興味ないけどさ、無惨のことはちょっと気になるよな。」

女「みんな無惨君と話したいのにいつも継国さんの方にいっちゃうもんね。」

男「無惨君絶対いい奴だし、話してみたいってずっと思ってんのにな。」

女「竈門はちょいちょい話してるけどね。」

男「確かに。あいつコミュ力すげえからな。」

女「逆に竈門ぐらいじゃない？無惨君と話してるの。」

男「たまに金魚のフンみたいに竈門にひっついてる我妻が無惨君と喋ってるけどな。」

善「誰が金魚のフンだ！！」

男「聞こえてたのかよ…」

女「事実でしょ。」

男「お前はずっと竈門の周りうろちょろしてるじゃねえか。」

善「俺そんなふうに思われてたの！？」

炭「みんな！善逸は人間だ！金魚でもないしフンでもないぞ！！」

男「そうじゃねぇな…」

女「流石竈門。」

男「お前はずっとそうやっていてくれ。」

炭「？」

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