# ページ42
sk「ねえ、これでいい? ねえ遊んでよ……あはは! ねえ!! 俺と遊んでよお!!」
深澤の首めがけて再びナイフを振りかざす佐久間。深澤はナイフを取り出してそれを目の前で受け止める。その隙に宮舘は佐久間に何度も殴りかかるも、素早い動きで佐久間はそれを避けていく。
佐久間が離れた所で深澤も宮舘に加勢する。どれだけ攻撃が飛んできても佐久間はけらけら笑っていた。
軽い身のこなしで二人がかりの攻撃を躱し、一瞬の隙を突いてしっかり傷を与えようとする。俊敏に動き続けていながらポケットに突っ込んだ金も情報も落とす事は無い。
何より、どんなに殴られても斬られても、彼は笑い続けていた。深澤と宮舘に傷をつける度に興奮して高らかに笑った。
深澤は確信していた。彼は情報屋と言いながら、その辺の殺し屋よりも格段に強い。そして。
《お前ら殺したら強くなれるよね?》
きっと彼も、重い何かを抱えている。
それを察した深澤は宮舘に目線で訴えた。
＿＿あいつを殺すな。あいつが本気で俺達を殺す気でも。
どれだけやり合ったか、三人は息を整えながら睨み合っていた。
深澤と宮舘は肩で息をし始めていた。それ以上に佐久間は疲弊していた。狂った笑みはなりを潜め、傷だらけの体は立っているのもやっとのように見える。
深澤と宮舘は目で会話した。次の一手で終わらせる、と。
いくら殺人を繰り返してきた佐久間でも、深澤と宮舘の二人を同時に相手するのは無理があった。
しかし負ける訳にはいかない。引く訳にもいかない。耳元で叫ぶ彼のために強くならなければ、強くなって彼の元へ帰らなければ。
自分のせいで彼を闇に引きずり込んだのだから、闇の中に彼を一人取り残す訳にはいかないのだ。
sk「っ……あ゛ぁぁぁぁッ!!」
自分を奮い立たせるように叫んだ佐久間は、ナイフを強く握り締めて二人に斬りかかった。
深澤が佐久間のがむしゃらな攻撃を受け止める。疲れきった佐久間は隙だらけ、宮舘はその隙を確実に突いた。
sk「っぐぁ……、」
佐久間の鳩尾に綺麗な回し蹴りをお見舞いすると、彼の手からナイフが落ちた。やがてその全身から力が抜け、佐久間の体は建物の壁に受け止められた。
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長谷川遥香(プロフ) - 完結したけど続きでリクエストバージョンも見たいです！ (2022年1月3日 21時) (
レス) id: 3679b26edd (このIDを非表示/違反報告)
雷(プロフ) - ものすごくおもしろくて、一気読みもしたのに誤って低評価を押してしまいました…！本当は心からの高評価です、おもしろかったです！嫌な気持ちにさせてしまったらすみません…！ (2020年10月14日 22時) (レス) id: 02bdc07e91 (このIDを非表示/違反報告)
kjars8888888(プロフ) - やっぱアジさんの裏稼業が最高だな！！ (2020年9月21日 23時) (レス) id: 55f2f63f60 (このIDを非表示/違反報告)
mgrwtnb(プロフ) - 完結おめでとうございます！最後まで涙が止まりませんでした。これからも応援してます! (2020年9月17日 20時) (レス) id: 1e6ed00ec9 (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - 完結おめでとうございます。とても面白く、更新を毎日楽しみにしていました。これからも応援してます！ (2020年9月15日 22時) (レス) id: afba355943 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怜
| 作成日時：2020年8月29日 15時
