# ページ37
mg「誰でもいいってか」
「悪い?」
mg「そんなに鳴かされたいんだ」
「そっちじゃねえよ」
mg「あれ、そうなの?」
「強気な奴ほど鳴かせたくなるだろ」
わかってて聞いた。案の定だった。
mg「そう、まあ付き合ってやってもいいよ」
「……お前だって誰でもいいんだろ」
mg「いや? 条件がある」
「金?」
mg「違う、教えて欲しい事がある」
目黒がそう言って情報について聞き出すと、彼はあっという間に全て吐いた。面白いくらいちょろかった。
それだけ彼は飢えていた。そして目黒は魅力的だった。阿部の選択は正しかったのだ。
mg「ありがとう、教えてくれて」
目黒は聞き出した全てを脳内に叩き込むと、彼の首に腕を回して耳元で囁いた。
mg「沢山お礼してあげる」
日付がとっくに変わった頃、向井が寝ようとした時に目黒は帰ってきた。
kj「おかえり」
mg「お前まだ起きてんの? 寝ろよ」
kj「だって……ふぁ、」
mg「ほら……阿部ちゃんは?」
目黒はいつも通りに言葉を交わし、いつも通りに振舞った。若干腰が痛かったが、そんな素振りを見せていない。見せたつもりは無い。
kj「部屋におるよ」
mg「そう、ありがとう。早く寝ろよ」
kj「……待ってめめ、」
勘づかれる前に立ち去ろうとして向井に止められる。そちらに目をやれば、向井の顔は曇っていた。
誤魔化してたつもりなのに。彼はこんなに勘が鋭かったか。
kj「めめ……何もしてへんよな」
mg「……してない」
kj「何今の間、ねえ」
mg「何もしてねえって」
kj「めめ待って!」
向井を無視して目黒は足早に階段を上った。
やけに膨れ上がる罪悪感には気づかない振りをした。
目黒が阿部の部屋に入ると彼は何かの勉強をしていた。
mg「……遅くなってごめん」
ab「全然……いけた?」
mg「いけた」
目黒は阿部に仕入れた情報を全て話す。
阿部は全てを記録した後、目黒に向き直って微笑んだ。
ab「流石。ありがとう」
mg「いいえ」
ab「ところでさ、」
よく見れば、微笑んだ阿部の目だけは笑っていなかった。
ab「……何もしてないよね」
mg「してません」
ab「帰りが遅かったと思ったけど」
mg「……手こずったから」
目黒がポーカーフェイスで答えた瞬間、急にドアが開いた。振り返ればそこには向井がいた。
kj「っ……めめ、」
向井は今にも泣きそうな顔をしている。
それで確信を得た阿部は、ため息を吐いてもう一度尋ねた。
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長谷川遥香(プロフ) - 完結したけど続きでリクエストバージョンも見たいです！ (2022年1月3日 21時) (
レス) id: 3679b26edd (このIDを非表示/違反報告)
雷(プロフ) - ものすごくおもしろくて、一気読みもしたのに誤って低評価を押してしまいました…！本当は心からの高評価です、おもしろかったです！嫌な気持ちにさせてしまったらすみません…！ (2020年10月14日 22時) (レス) id: 02bdc07e91 (このIDを非表示/違反報告)
kjars8888888(プロフ) - やっぱアジさんの裏稼業が最高だな！！ (2020年9月21日 23時) (レス) id: 55f2f63f60 (このIDを非表示/違反報告)
mgrwtnb(プロフ) - 完結おめでとうございます！最後まで涙が止まりませんでした。これからも応援してます! (2020年9月17日 20時) (レス) id: 1e6ed00ec9 (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - 完結おめでとうございます。とても面白く、更新を毎日楽しみにしていました。これからも応援してます！ (2020年9月15日 22時) (レス) id: afba355943 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怜
| 作成日時：2020年8月29日 15時
