Shall we dance in the dark? ページ33
洒落たスーツをきっちり着たQueenはとあるパーティーに潜入していた。
彼はあくまで非戦闘員なので、同伴の振りをしてSoleilが護衛についている。何度か仕事はしてきたが、これがSoleilにとっては初めての潜入である。
今回の仕事はパーティー中に企てられた某企業社長の暗殺を阻止する事。そのために、暗殺者が誰かを炙り出さなければいけない。
一見珍しくヒーローまがいの仕事である。しかし標的にされた社長は裏で暴力団とつるんではあくどい事を積み重ねている。彼等はヒーローでも何でも無い。
Queenの護衛にはJokerが立候補していたが、彼は女王様に近づく者全員に露骨に敵意を向けるので外された。仕方なく彼はKingと共に、遠くから女王様を見守っている。
なおOwner達は会場の外で怪しい人間がいないかどうかを見て回っている。
sk《暗殺者何処だよ、これで女王様に怪我させたらマジで許さないから》
nb《静かにしろよ、護衛外されたからって》
kj「……ほんまに俺でよかったん」
ab「いいの、気にしないで。経験積んで欲しいし」
小声でやりとりしながらQueenは当たりを見回して警戒する。Soleilも小さく頷いて周囲に目を光らせる。
すると、Soleilの視界に一瞬だけ怪しい動きをした男が映った。
kj「なあ……一瞬一人にしてええ?」
sk《はあ!?》
kj「すぐ戻る」
ab「……わかった」
Soleilの意図を汲み取ってQueenが返事をする。お手並み拝見と言った所か。
彼はQueenから離れると、ウェイターからワイングラスを受け取ってゆっくりと一人の男に近づいた。
kj「わっ! ごめんなさい!」
Soleilは男にぶつかるフリをし、手を滑らせて男に向かってワインをぶちまける。
彼は至極申し訳なさそうにしながら男の濡れたスーツをハンカチで拭く__と見せかけて男の体を触り、懐の辺りに硬いものがあるのを確認した。
Soleilは襟元に仕込んだマイクをこん、と弾いて合図を出すと、男の耳元で意地悪く囁いた。
kj「ところでお兄さん……誰の事狙っとるん?」
その一言で表情を一変させた男は、Soleilを突き飛ばしてドアに向かって走りだした。
追う事はしない。どうせ外にはAce達が待ち構えている。
Soleilはゆっくり立ち上がると、乱れた襟を直すついでに仲間に連絡した。
kj「そろそろ出てくわ、ワインぶっかけたから一発で分かるで」
iw《了解》
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長谷川遥香(プロフ) - 完結したけど続きでリクエストバージョンも見たいです! (2022年1月3日 21時) (レス) id: 3679b26edd (このIDを非表示/違反報告)
雷(プロフ) - ものすごくおもしろくて、一気読みもしたのに誤って低評価を押してしまいました…!本当は心からの高評価です、おもしろかったです!嫌な気持ちにさせてしまったらすみません…! (2020年10月14日 22時) (レス) id: 02bdc07e91 (このIDを非表示/違反報告)
kjars8888888(プロフ) - やっぱアジさんの裏稼業が最高だな!! (2020年9月21日 23時) (レス) id: 55f2f63f60 (このIDを非表示/違反報告)
mgrwtnb(プロフ) - 完結おめでとうございます!最後まで涙が止まりませんでした。これからも応援してます! (2020年9月17日 20時) (レス) id: 1e6ed00ec9 (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - 完結おめでとうございます。とても面白く、更新を毎日楽しみにしていました。これからも応援してます! (2020年9月15日 22時) (レス) id: afba355943 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:怜 | 作成日時:2020年8月29日 15時