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ab「……ボトムフォール」
Queenが呟いたその一言で身を固くしたのはディーラーである。
手札を他の参加者に有利になるように配っていたのを、彼は一瞬で見抜いていた。
ab「下手くそだなあ、イカサマやるならもっと上手にやりなよ」
その言葉に、ついに参加者の一部がQueenの前に平伏した。
これ以上はやめてくれ、破産する、そう命乞いをする輩をQueenは冷めた目で嗤っていた。
その姿はさながら、苦しむ国民を嘲笑う女王様か。
ab「えー、どうしようかなあ……」
Queenが野次馬達の中に紛れた仲間に目をやった。彼等はマスクをつけて準備万端だ。
仲間を見て満足そうな笑みを浮かべた彼は平伏す下僕共に言い放った。
ab「いいよ、やめてあげる。じゃあ……始めようか」
彼の言葉で「Team S」は仕事を始めた。
組織の人間の顔は全員の頭に入っている。彼等はただの客は気絶させ、組織の人間の命は奪っていった。
Queenも騒ぎに乗じてマスクをつけたと思うと、標的にしたのはあのディーラーである。
彼も組織の人間なのだ、ちゃんと消えてもらわなければいけない。
Queenが隠し持っていた銃をディーラーに突きつけると、相手は腰を抜かしながら後ずさる。非戦闘員なのだろう、必死に命乞いをするだけだった。
そんな相手を見てQueenは思わず相手をからかいたくなった。大勝ちした高揚感も合わさって、今の彼はいつも以上にサディスティックであった。
ab「ふはっ……殺さないで欲しい?」
必死で頷くのを見て、彼はマスクの下で残酷な程に口角を上げた。
ab「じゃあこう言ったら助けてあげる。“At her majesty’s pleasure.” ってね」
ディーラーは従順にその言葉を口にしようとしたのか、震えながら口を開いた。
その口の中に、冷酷な女王様は銃口を容赦なく突っ込んだ。
ab「何敵の言う事信用してんの? 本気でお前の事助けると思った? ばーか」
乾いた音が一発、喧騒の中に溶けた。
仕事を終えた彼等は両替機や裏の金庫を片っ端から漁り、「Team S」史上過去最高の金額を巻き上げて帰宅した。
ab「うえーいボロ勝ちしたぜー! 大儲けだぜー!」
nb「やっば、めちゃくちゃテンション上がってるんだけどあいつ」
dt「流石金の亡者」
ab「えーめっちゃ気持ちいいー!!」
iw「すげえ、今なら何悪口言っても通じないぞ」
fk「まじ? 何言う? 何言う!?」
sk「はあ!? 言うなよ!?」
Shall we dance in the dark?→←#
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長谷川遥香(プロフ) - 完結したけど続きでリクエストバージョンも見たいです! (2022年1月3日 21時) (レス) id: 3679b26edd (このIDを非表示/違反報告)
雷(プロフ) - ものすごくおもしろくて、一気読みもしたのに誤って低評価を押してしまいました…!本当は心からの高評価です、おもしろかったです!嫌な気持ちにさせてしまったらすみません…! (2020年10月14日 22時) (レス) id: 02bdc07e91 (このIDを非表示/違反報告)
kjars8888888(プロフ) - やっぱアジさんの裏稼業が最高だな!! (2020年9月21日 23時) (レス) id: 55f2f63f60 (このIDを非表示/違反報告)
mgrwtnb(プロフ) - 完結おめでとうございます!最後まで涙が止まりませんでした。これからも応援してます! (2020年9月17日 20時) (レス) id: 1e6ed00ec9 (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - 完結おめでとうございます。とても面白く、更新を毎日楽しみにしていました。これからも応援してます! (2020年9月15日 22時) (レス) id: afba355943 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:怜 | 作成日時:2020年8月29日 15時