Hope In The Darkness IV

# ページ31

ということで、渡辺のハニートラップによって招待状を手に入れた彼等は、6人全員でカジノ会場に乗り込むことになったのである。






彼等は揃いのスーツを着て裏カジノに乗り込んだ。
流石に最初からあのマスクをつけていく訳にはいかないので、今回は仲間内の連絡のためだけに襟にマイクを仕込んだ。


乗り込んでも彼等はすぐには行動を起こさなかった。まずはゲームを楽しむ時間だ。
阿部＿＿Queenが選んだゲームは、テキサスホールデム＿＿複数人で争うポーカーである。
Queenが楽しむ間、テンションの上がったOwnerやJackもゲームを楽しんだ。
AceはQueenの近くで別のゲームをし、仲間の様子を窺う。
Jokerはお目付役のKingと共にカウンターでちびちび酒を飲んでいた。


Jackは大いに負けているが問題ない。どうせ後で全て回収する。
そんなJackの隣で才能を開花させたのはOwnerである。ルーレットで超適当に選んだ番号が立て続けに当たり、いつの間にかそこそこの金を手に入れていた。


fk「え、俺天才じゃね!?」
nb「どーせイカサマしてもらったんじゃねえの」
dt《どうせね》
fk「は!? うっざ!?」


Owner達のやり取りをよそに、AceはQueenに目を向けた。
あれだけ儲けると意気込んでいたQueenが全くと言っていいほど勝っていない。
あんなに大口を叩いていたのに、ほとんど勝負をしない。見る度に大金を賭けてはフォールドを繰り返している。


iw「……大丈夫か、全然あいつ勝ってないけど」
nb《Queen?》
fk《マジ?》
sk《でもあ……Queenでしょ?》
dt《大丈夫じゃないの? Queenだし》
iw「だといいけど」


Aceが呟いた次の瞬間、奥で歓声が上がった。
その会場で行われていたのは＿＿テキサスホールデム。
他の悔しがる参加者をよそに笑みを浮かべるのは、Queenである。


fk《何今の》
nb《あいつ?》
iw「大勝ちしたみたいだぞ」
sk《マジで!?》
dt《流石だな》


それからも歓声は上がり続けた。参加者がチップを増やす度、Queenはそれら全てを狩り取った。
そのあまりの盛り上がりに野次馬まで集まり始めたので、騒ぎに乗じてOwnerらもQueenの勝負を観戦した。


他の参加者が阿鼻叫喚をあげる中、足を組んで優雅にゲームを続けるQueen。彼の前にはチップの山。
新たな勝負が始まると言う時、ディーラーが手札を配り始めたタイミングで参加者の一人がディーラーに目配せした。
そのやりとりを彼が見逃すはずが無かった。

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