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Ace達はBlancの思い付きを元に本棚を捜索していた。
時折撃ち合う音が聞こえるのは、きっとここに侵入した事が敵にばれているからだ。無理もない、QueenのPCが吹っ飛んだという事はカメラ等のハッキングも出来ていないのだろうから。
dt「ねえ、ここから上に行きたいんだけど。どうしたらいいか教えてくれない?」
手っ取り早いと考えたのか、Kingが敵の一人に尋問しているのを背後にAceは手を動かし続けた。
なあ、なんで一人で行ったんだよ。どうして俺も置いていったんだよ。
ふっかの為ならなんでもやるって、何があっても俺はそばにいるって言っただろ。なあ!!
あいつと親子だったから? 俺達を裏切ったとでも思ったのか? 何処までお人好しなんだよ馬鹿野郎!!
……お前俺に言ったよな。みんなの事は俺が守るって。じゃあ、お前の事は? 誰が守るんだよ。
なあ、俺じゃだめか。俺達じゃだめか!!
俺達みんな、間違いなくお前に救われたんだ!!
今度は俺達がお前を守る! お前が何と言おうと、俺達がお前を救うから……!!
dt「Ace」
男を吐かせたのかKingがAceの傍にやってきた。Aceが探す本棚の隣、Kingの目の高さにある濃紫の革張りの洋書を指差す。タイトルの頭文字は、F。
左から6番目の棚、下から6段目、右から6冊目の本だった。Blancの読みが当たったらしい。突拍子も無いようで当たる直感は、果たして彼から受け継いだのか。
ab「Ace!」
濃紫の本に手をかけた瞬間に聞こえた声。振り向けば残り六人が揃っていた。
kj「Luna、お腹、」
mg「……お前が言うな、」
nb「Blancお前……」
ru「無傷だよ。みんなのおかげ」
ab「どう、」
dt「大当たり」
sk「Blancやばあ、かっけぇ」
これで全員揃った。いや、あと一人、か。
八人が互いの生存確認を済ませた所で、最後の一人を迎えに行くべくAceが本を押した。
ru「……マジ?」
sk「アニメじゃん」
dt「わざわざ凝った事するよね」
mg「きっしょ」
ぎぃ、と音を立てて本棚が奥へ動き始める。それに続いてゆっくり前に進むと、棚の間にできた空間、左手に階段が現れた。
いよいよ最後の戦いである。Aceは全員と一人ずつ目を合わせた後、低い声で戒めた。
iw「……わかってると思うけど、絶対に油断はするなよ」
各々が頷いたのを確認しAceは階段を見上げた。
iw「俺達は9人で一つだ。必ず全員で帰る」
__だから、死んでたりしたら許さねえからな。
彼等はAceを先頭に、一歩一歩階段を上り始めた。
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長谷川遥香(プロフ) - 完結したけど続きでリクエストバージョンも見たいです! (2022年1月3日 21時) (レス) id: 3679b26edd (このIDを非表示/違反報告)
雷(プロフ) - ものすごくおもしろくて、一気読みもしたのに誤って低評価を押してしまいました…!本当は心からの高評価です、おもしろかったです!嫌な気持ちにさせてしまったらすみません…! (2020年10月14日 22時) (レス) id: 02bdc07e91 (このIDを非表示/違反報告)
kjars8888888(プロフ) - やっぱアジさんの裏稼業が最高だな!! (2020年9月21日 23時) (レス) id: 55f2f63f60 (このIDを非表示/違反報告)
mgrwtnb(プロフ) - 完結おめでとうございます!最後まで涙が止まりませんでした。これからも応援してます! (2020年9月17日 20時) (レス) id: 1e6ed00ec9 (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - 完結おめでとうございます。とても面白く、更新を毎日楽しみにしていました。これからも応援してます! (2020年9月15日 22時) (レス) id: afba355943 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:怜 | 作成日時:2020年8月29日 15時