Hope In The Darkness Ⅲ (ページ21)

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nb「……そんな事ある?」

誰もが言葉を失う中、言葉を捻り出したのは渡辺だった。
そう思うのは当然だ。推測の段階とはいえ、繋がる訳が無いと思っていた事件が繋がったのだから。

ru「ねえ、そもそも同じ人ならなんでわざわざ別の名前使うの?」
ab「身バレする可能性は下がる。噂レベルでなら違う名前を名乗るだけで別人だと思わせられるし、正体を突き止められにくくはなる」
iw「だからふっかの前では6って名乗ったのか?」
ab「多分ね」

話を聞いていた目黒はふと訝しむ顔をした。

mg「……俺の事件の犯人は死んだって」
dt「目黒の家族を実際に殺した奴は死んでるけど、殺しを指示した奴は生きてるって事でしょ」
ab「そう」
dt「だったら、復讐のチャンス……まだあるんじゃない」
mg「……なるほど」

目黒の瞳がぎらついた。その傍らで拳を握りしめたのは渡辺である。

nb「それ……俺達も復讐出来るよな」
dt「……そうだね」
ab「全部本当だったらね、まだ想像でしかない」

阿部が燃えようとしていた炎を鎮めた所で、佐久間が疑問を口にした。

sk「ねえFでも6でもいいけどさ、そいつ誰なの?」
ab「まだわかんないよ……でも少なくともその辺の下っ端ではないだろうな。それなりの権力者ではあると思うよ」
iw「手掛かりあるのか」
ab「ある」

阿部は即答した。向井はただ犠牲になった訳ではないのだ。

ab「康二が襲われた時にスマホをかっさらってきてくれた。あの時襲ってきた奴等のって言ってた」
sk「まじで!?」
ru「康二くん……」
ab「今の仮説が正しいなら、そのスマホを調べればFって奴に繋がるはず」
iw「なるほど」

阿部はベッドで眠る向井に目をやって、覚悟を決めたように呟いた。

ab「どうせあいつらは下っ端だろうし、Fは相当立場が上のような気がするから時間かかりそうだけど……康二が頑張ってくれたんだ、次は俺の番だ」
mg「……阿部ちゃん、」
ru「格好良い……」
dt「じゃあ、阿部が調べるまでは待機って事?」
iw「だろうな。この感じだと、下手したら俺達の事も嗅ぎつけられてるかもしれねえし、不要な外出もしない方がいい」
dt「Barも開けない方がいい?」
ab「顔晒すしな、やるなら始末屋だけの方がいいんじゃない」

そこまで話して思い出したように話題を変えたのは渡辺だった。

nb「なあ、こんな時にふっかは何処行ってんの」
iw「連絡したのに音沙汰ねえし」
sk「遊んでる?」
ab「あいつしれっと女捕まえてるからな」