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佐久間の話を聞いたラウールは言葉が出なかった。一歩間違えば、自分だって彼のようになっていたかもしれない。
sk「俺が壊れた時に助けてくれたのが阿部ちゃん。阿部ちゃんは俺のために一緒にこっちの世界に来てくれた。確かに阿部ちゃんも虐待されてたけど、」
ru「阿部さん、も……?」
sk「あ、聞いてない? まいっか、どうせいつか聞くもんね」
ラウールが誰の過去も聞いていない事を知った佐久間達は、メンバーの過去を簡単に説明し始めた。
sk「照とふっかは犯罪者扱いされたせいで施設飛び出してー、この始末屋を作ったの」
mg「俺もその施設にいた。家族全員殺されて」
ru「え……?」
mg「復讐するために殺しを覚えた。復讐するまで絶対に死ねなかったから、生きるために何でもした……結局犯人死んでたけど」
ru「……そんな」
sk「舘さんと翔太は幼馴染で、二人とも親が犯罪者だったんだよね。で、舘さんの親が翔太の親殺した」
mg「康二は親父さんに大事な人みんな殺された。だから自分の手で親父さんを殺した。それが人生で初めての人殺し」
ラウールは絶句した。次から次へと聞かされる残酷な過去を受け止めきれなかった。
呆然とするラウールを見て佐久間がラウールの手をそっと握る。佐久間の手の指先は冷たかった。
sk「俺達みんないろいろあるの。だから……だからこそ、ラウールは守りたいの」
握られた手に力が入る。彼の瞳に黒い下心なんて何処にも無かった。
sk「だって、まだ人殺した事無いでしょ?」
ru「……無いです」
sk「そもそも犯罪なんてした事無いでしょ?」
ru「はい」
sk「だったらまだ間に合うから。ラウールは「普通」に生きられるはずだから」
mg「お前は汚れなくて良いんだよ」
聞こえた目黒の声は、ラウールには十分すぎる優しさを含んでいた。
疑いや恐怖などもう感じなかった。信じて良いと思った。この優しさは紛れもなく本物だ。
今までの人生でもらった優しさの中で、最も暖かい優しさがここにある。
sk「家族がいるならちゃんと家族の所に返すから」
ru「嫌です、」
信じてしまえばラウールの心はすぐに決まった。自分の居場所は冷たい部屋の中でも、冷たい家族の中でも無い。
mg「家族と何かあるの」
ru「虐待、と言う程では無いですけど……大切にはされてません」
sk「でも学校もあるでしょ」
ru「虐められてるので行きたくないです。だから」
ラウールはやや躊躇いがちに二人に聞いた。
ru「……ここにいさせてくれませんか」
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怜(プロフ) - 如月ﾖｼﾉ。さん» ありがとうございます! そうですめめです! ゆっくりですがこれからもお付き合いよろしくお願いいたします! (2020年7月16日 21時) (
レス) id: 03141f9b41 (このIDを非表示/違反報告)
如月ﾖｼﾉ。(プロフ) - 移行おめでとうございます！次の加入組はめめですかね？今後の展開も楽しみにしています！ (2020年7月13日 0時) (レス) id: 3bc10946d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怜
| 作成日時：2020年7月12日 15時
