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ab「……実際の会話聞いてないから何とも言えないけどさ」
阿部は煙を吐き出すと同時に話を始めた。
ab「親戚に裏切られたって言ったんだよね」
fk「……そう」
ab「それって……誰も自分の事を引き取ってくれなかったって事じゃないの。それで施設行きになったって考えるのが妥当じゃない」
阿部の話を聞いて深澤も思考を巡らせる。
fk「親戚が引き取るような状況になったって事は」
ab「家族を失った、って言うのがベタだよね」
fk「……ねえ、まさか警察って」
深澤が閃いたのを見て阿部も微かに頷いた。
ab「……家族を殺した犯人を捕まえてくれなかった。だから裏切ったって思ってる、そう考える事は出来る」
fk「だからこっちの世界に来て……自分の手で復讐しようとしてる、とか?」
ab「そのために必死で生きてる。もう誰も信用できないからたった一人で……どんなに苦しい目に遭っても、家族を殺した犯人を殺すまでは死ねない、って事なんじゃない」
fk「施設の人は……あの言い方だったら、裏切ったって言うよりは何もしてくれなかったって捉え方で良いんだろうな」
ab「……辻褄あったよ。全部ただの推測だけど」
阿部が吐き出した煙が深澤の頭を撫でた。深澤の吐き出した煙が阿部の顔めがけて上っていく。
sk「……家族のために、そこまでするの」
iw「大切な存在だったら……するよ」
sk「……俺には分かんないや」
ab「よっぽど幸せだったんじゃない、知らないけど」
iw「俺は……気持ちは分からなくもない」
fk「まず家族を知らねえや」
それぞれの呟きは煙と共に消えていく。
阿部は最後に吸った煙をゆっくり吐き出すと、深澤が持つ灰皿の中に吸い殻を押しつけた。
ab「とりあえずそういう方向で調べてみるか……仕方ねえな」
fk「ありがとう阿部ちゃん」
ab「……マジでどっかの誰かのお人好しが移った」
fk「ふは、誰だろうね」
阿部は深澤を睨み付けた後、腰に手を当て今後の事を考えた。
ab「なるべく急いだ方が良いよね、あいつが逃げ出したりしたら困る」
fk「うん、出来るだけ急いで欲しいかも」
ab「はぁ……じゃあ先帰るわ」
sk「俺も行く」
歩き出した阿部と佐久間の後ろ姿を見送って、深澤はふと岩本に問うた。
fk「照……家族って何」
岩本はその言葉に黙り込んで、それから口を開いた。
iw「お前にとっては……俺達で良いんじゃない」
二人は目を合わせない。
fk「……そっか」
沈黙の中で、深澤は岩本の言葉を静かに噛み締めた。
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怜(プロフ) - 如月ﾖｼﾉ。さん» ありがとうございます! そうですめめです! ゆっくりですがこれからもお付き合いよろしくお願いいたします! (2020年7月16日 21時) (
レス) id: 03141f9b41 (このIDを非表示/違反報告)
如月ﾖｼﾉ。(プロフ) - 移行おめでとうございます！次の加入組はめめですかね？今後の展開も楽しみにしています！ (2020年7月13日 0時) (レス) id: 3bc10946d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怜
| 作成日時：2020年7月12日 15時
