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あの後、佐久間と目黒以外の誰かしらと一日中一緒にいたラウールは疲れていた。ちょうど深澤がBarの出勤日だった事もあり、一人になりたいと言った彼は深澤の部屋で休んでいた。
彼は一人になって考えたかった。これから、どうするのが正解かを。
玩具扱いされてきた自分を助けてくれたのは紛れもなく深澤達だ。
しかし、その一方であの家にいた人間全てを殺したのも深澤達だ。
始末屋と名乗った彼等は、自分にとってはヒーローだ。でも本当に?
彼等だって闇の住人だ。今は本物としか思えない底無しの優しさが、果たして本当に本物かはわからない。
そもそも彼等が自分に優しくする理由は何だ。本当に自分の事を思って? それとも彼等の利益のため?
前者だったらどれだけありがたいか。でもこんな世界だ、普通後者では?
半年前までは多少人を信じていたラウールも、この半年で完全に人間不信に陥った。
ぐるぐる考えた挙句、彼はここから逃げ出す事に決めた。
誰も信じられないのだ、だったら一人で生きる方がずっと安全だ。
殺されたらその時はその時だ。こんな生活が死んで終わるならそれでもいい。
数日ぶりのまともな睡眠から目覚めた目黒は、喉の乾きを感じて地下のキッチンに向かった。
階段を降り始めてすぐに物音が聞こえた。一階か。
一階に当たる踊り場はBarと玄関につながっている。Barとの間にはドアがあるが、玄関の方には無い。
聞こえた音の大きさから目黒は玄関に向かった。そこには勝手口のドアノブに手を伸ばすラウールがいた。
mg「何処行くの」
その声で初めて目黒に気づいたラウールは、驚きと畏怖を滲ませて固まった。
＿＿見つかった。殴られるかもしれない。殺されるかもしれない。
しかしすぐに気を取り直してドアノブに手をかける。そうなる前に出て行くと決めたのだ。
mg「……地獄だよ」
ラウールの魂胆を見抜いたような冷えた声に思わず手が止まった。
mg「お前みたいな奴が一人で飛び出したら、その先には地獄しか待ってない」
ru「……死んでも良いです」
mg「死んで済むならこんな事言わない」
信じられない人の言う事を聞く必要なんて無い。
そう思ってもドアノブを回す事は出来ない。
mg「また殴られて、刺されて撃たれて、今度はやばい薬も盛られるかもしれない」
ru「……」
mg「汚え男共に抱かれるかもしれない」
ru「……っ」
mg「経験者の忠告は聞いた方が良いと思うけど」
その言葉でラウールは目黒を見た。彼の目に光は無かった。
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怜(プロフ) - 如月ﾖｼﾉ。さん» ありがとうございます! そうですめめです! ゆっくりですがこれからもお付き合いよろしくお願いいたします! (2020年7月16日 21時) (
レス) id: 03141f9b41 (このIDを非表示/違反報告)
如月ﾖｼﾉ。(プロフ) - 移行おめでとうございます！次の加入組はめめですかね？今後の展開も楽しみにしています！ (2020年7月13日 0時) (レス) id: 3bc10946d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怜
| 作成日時：2020年7月12日 15時
