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ラウールと深澤が地下に降りた頃に渡辺は起床した。
寝起きの悪さに定評がある彼がすんなりこの時間に目を覚ましたのは稀な事である。
ご飯を食べに行くついでにメンバーを驚かせてやろうと渡辺は部屋を出た。
それと同時に自室から出てきたのが、目黒だった。
nb「おはよ」
mg「……おはようございます」
部屋を出ようとしていたはずの目黒が戻ろうとするのを見て、渡辺は咄嗟に声をかけていた。
nb「おいッ」
自分の声が思っていたよりも大きかった。目黒が俯いて、心なしか小さくなったように見える。
神なんてものを信じてみるなら、これは神が自分に与えたチャンスだと思った。
未だにぎくしゃくした関係を続ける目黒と自分がちゃんと向き合うチャンス。だから今日はやけにはっきり目が覚めたのかもしれない。
nb「……もうやめろよ」
mg「……」
nb「俺に気遣うの、もうやめろよ」
目黒は俯いたまま何も言わない。渡辺も次に何を言えばいいのかが分からない。
空気が澱んだ所に部屋から出てきたのは宮舘だった。奇遇にも、雪解けが済んでいない三人が揃った。
目黒を見つめる渡辺とその視線を受け止めない目黒。それだけで宮舘は察した。渡辺と目が合ったのを合図に口を開く。
dt「……昨日は眠れたの」
mg「……いや、」
dt「一時間?」
mg「……寝てません」
nb「マジか」
その間も目黒は渡辺とも宮舘とも目を合わせようとしない。
見かねた宮舘は思案した結果、二人を目黒の部屋に押し込んで自身はホットミルクを作りに行ったのである。
落ち着いて話をするために温かい飲み物は必要だ。そして不眠にはカフェインの無いものを。
宮舘が目黒の部屋に戻った時、二人は無言で向かい合って座っていた。きっと終始無言だったのだろう。
宮舘は二人の前にホットミルクを置き、渡辺の隣に座った。
nb「……何これ」
dt「ホットミルク」
nb「涼太のは?」
dt「俺はいらない」
nb「俺だって」
dt「翔太は飲んで」
宮舘は渡辺を黙らせた所で目黒に向き直った。
目黒はホットミルクを見つめていた。宮舘の視線に気づいて一瞬顔を上げたがすぐに目を逸らす。
宮舘は深く息を吐いて目黒に話しかけた。
dt「……俺達はもう割り切ってるよ」
mg「っ……でも」
dt「俺も翔太も生きてるし」
mg「そういう問題じゃ、」
nb「そういう問題だよ」
mg「でも」
nb「いいんだってッ」
dt「翔太」
宮舘が渡辺にマグカップを近づける。渡辺は黙ってそれに口をつけた。
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怜(プロフ) - 如月ﾖｼﾉ。さん» ありがとうございます! そうですめめです! ゆっくりですがこれからもお付き合いよろしくお願いいたします! (2020年7月16日 21時) (
レス) id: 03141f9b41 (このIDを非表示/違反報告)
如月ﾖｼﾉ。(プロフ) - 移行おめでとうございます！次の加入組はめめですかね？今後の展開も楽しみにしています！ (2020年7月13日 0時) (レス) id: 3bc10946d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怜
| 作成日時：2020年7月12日 15時
