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阿部 side
A『ふぇ、…グスッ』
「泣かないの〜またしんどくなっちゃうでしょ?」
リクライニングさせて姿勢とか、ばっちりなんだけどね。
A『んっ、ちがぅ…ヒクッ』
「いきなりご飯なんて食べたらぽんぽん痛い痛いなんだよ?」
長い時間寝てていざ起きて普通のご飯なんて出せるはずないじゃん、なんてのはAに通用せず。
ふっか先生の指示は流動食で、ってことなんだけど。
A『おなか、すいたのぉ!(泣)』
「うんうん、じゃあこれ飲みな?」
A『ごはんん〜(泣)』
目の前にはすまし汁とリンゴジュース、ほうじ茶。
何も考えずに彼女の意見を尊重出来るとしたら食べれるに越したことはないんだから、食べさせてあげたいのは山々。
ただそういう訳にもいかないのよここは。
「ほら、リンゴジュースどーぞ」
ストローを刺して口元に近づけるとしっかり両手で持ってごくごく飲み始めた。
「あぁ、そんな慌てて飲まないの…(笑)」
もう何だかな〜って感じだけど、
でもやっぱり元気な証拠が見え始めた事に感動する。
A『…これどぉぞ』
「へ?Aのみな?」
A『っべちゃんげんきない』
「…Aが起きるまでは心配で元気なかったけど、今元気なAを見れて、俺も元気になったよ。」
A『ほんとぉ?』
「ほんとほんと、俺めっちゃ元気なの」
A『んふふ、』
安心そうに笑うと再びジュースのパックを口元に付けてちゅーちゅー飲み出した。
初めてAに「元気じゃなかったけど、」なんて言葉を使ったかもしれない。
深「お?許容してもらった?(笑)」
「まぁ一応(笑)」
次からちょっとずつご飯な、と
入ってきたふっか先生はね、阿部ちゃんと言いながら俺の背中をトントンと叩いた。
無意識か、意図的かは分からないけどその手が何かを言ってるようでほんの少し心が軽くなった。
カラッと晴れて青空の広がる今日の空は、
ブルームーンの月が登る特別な夜だった。
end.
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はる - 初コメ失礼します!!この小説大大大大大好きです!!これからも頑張ってください!!応援しています!! (1月14日 12時) (レス) id: 41084e4d77 (このIDを非表示/違反報告)
mai(プロフ) - わぁー更新されてめちゃくちゃ嬉しいです😆💕これからの更新楽しみにしてます🎵 (2022年9月6日 19時) (レス) id: 7ea359306a (このIDを非表示/違反報告)
(ゆうか(プロフ) - ほんっとに大好きな作品で今まで何度読み返したことか、、、無理せず更新してくださったらめちゃくちゃ嬉しいです^^気長に待ってます! (2022年9月5日 12時) (レス) id: f04232b068 (このIDを非表示/違反報告)
かってぃー(プロフ) - 初期から読ませて頂いてる者です、、hopeが更新されてて五度見くらいしてしまいました….ほんっっっとに嬉しいです、大好きな作品です(T_T)お身体に気をつけて無理せず更新してくださったらとっても嬉しいです…!!!1番 (2022年9月3日 11時) (レス) id: dbf97b5281 (このIDを非表示/違反報告)
maru_(プロフ) - 菜々さん» ただいまです!!!! (2022年9月2日 20時) (レス) id: 8a37c499f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:maru_ | 作成日時:2020年8月26日 0時