hope 〈5〉

10 ページ30

阿部 side

北斗に仕事を伝えつつ、自分のやるべき業務もやりつつ。
カタカタとパソコンに打ち込んでいると、

お疲れ〜と北斗の声が。


「あ、A大丈夫そうだった？」


松「うん、もうね、可愛いのよ。」


「ははっ、めっちゃ虜じゃん(笑)」


Aに何か嬉しくなる様なことを言われたのか、
それともそもそも存在の可愛さにやられているのか。



向「俺は北斗くんを待っとった！」


いきなりすくっと立ち上がると北斗の前まで行き、
北斗の手を取ってぶんぶん振る康二。



さながら犬のような康二…



松「…どうも」



へへっと笑う北斗も犬っぽくて面白い。



松「…阿部ちゃん」


「はいはい(笑)ほら、北斗困ってるから康二は座りな、」



康二に圧倒される北斗の図も面白いけど、
困ってるから助けてあげなければ。


向「なあなあ、小児看護師やったん？」


松「そうそう、一般行く前までは」


向「ええー！なんか、子供からモテそやな！」


松「いやぁ…そうかな」


向「おん！ちょっとしょっぴーっぽいねんな、あ、いや、割とめめみたいなとこもありそうやな」


松「…それはそれは」


向「なーんやぁもぉ〜北斗くん俺の扱い分かっとるタイプやん！」


「いや何故喜ぶ(笑)」


康二、ほぼほぼ初対面なのに、北斗に対して俺らと変わらずに接してるの本当に凄いよね。


松「あ、そうだ、Aちゃんって何が好き？」


向「ふっか先生」


松「いや、あの、あげれるもので」


向「えぇ〜…阿部ちゃんなんやと思う？」


Aの好きな物か、


「んー、まぁ基本的におもちゃは喜ぶよね」



向「絵本とかパズルとかも好きやもんなぁ」



松「分かった、ありがと」



心做しか嬉しそうにする北斗。



「何かプレゼント？」


松「前にね、俺の悩みを解決してくれたことがあって。それのお返しに、」



「へ〜、まぁ大抵の事はAに相談すれば解決するよね(笑)」


向「分かる！(笑)俺も困ったらAに聞くねん、」



松「えー、凄いね…やっぱり特別な子だよね」


ふっか先生この言葉聞いたら口止まらないだろうなぁ。


でしょ？俺の可愛い特別な子なのよ。


なんて言いそう。



岩「お、仲良くなった？」


コーヒーを飲みつつやってきた照先生。


向「北斗くんやっぱおもろいわぁ」


岩「本人ははっ？って顔してるけどね(笑)」



昨日よりも雰囲気も良くて、仕事もすぐ終わって…
来てくれた北斗にも俺たちからお返ししたいな、なんて思った。

11→←9

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す