hope 〈5〉

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深澤 side


朝早くに目が覚めて、
これはチャンスだと思い向かった先は勿論Aの病室。


優しく、静かに開けたつもりが睡眠が浅かったのかその音にパチリと目を開けたA。



A『あっ！』



「あっ！来ちゃった、」



内心、カップルかよなんて思いつつ。
Aの仕草や行動が可愛くて仕方なかったからそんなのもどうだってよくて。



A『さみしかったぁ』



「ごめんね？」



A『…しんじゃうって、』



「あぁ、泣かないで？」



昨日のことも思い出したのか、
ポロポロと泣き出して「死んじゃうかと思った」とのこと。

いやこんなことで死ぬほど人間ってヤワじゃないよ？

なんて言葉は言えず、
ただただAを驚かせてしまったこと。
恐怖心を植え付けてしまったことが申し訳なかった。



「おいで、」


素直にぎゅっと抱きついてきて、
甘えてくるA。



「ごめんね、もう元気になったよ」



そう言えば、涙でキラキラと光る目が、



「…その目、なんか阿部ちゃんみたいだな(笑)」



それ本当？って疑って見てくる阿部ちゃんにそっくりで。



A『げんきならいいんだけど、でもちがうでしょぉ？』



「それも阿部ちゃんが言うやつね(笑)」



やっぱり、Aはここの病院の中で最もモノマネが上手だと思う。



A『へへっ、』



「あー…会いたかった」




ニコニコ笑うAを見て俺もかなり安心。
どんな治療よりも、Aと会ってる方が確実に元気になれる気がするもん。



小児科医として、
大変なことも多いけど。



Aの笑顔を見る度にやってて良かったなって感じる。




昨日拗ねた照に貼られたへんてこな絆創膏を見ながら、また頑張ろう。なんて気持ちに喝を入れた。





…勿論朝のミーティングに出ようとしたらこっぴどく照に怒られ、その事を出勤してきた阿部ちゃんにまでバレて怒られたけどね。





阿「元気ならいんだよ？でもそうじゃないでしょ？」



「ぷっ、」



阿「人が怒ってるのに笑うって本当さ、」



「いや、はい、すいません…(笑)」




end.

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