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深澤 side
足早に病室へと向えば、
つい1時間前に来てみた時と変わらぬ様子のA。
「A〜?」
A『…せんせ』
「うん、…どこか痛い痛いなところある?」
完全な気休めだけど熱さまシートを貼っているおでこに手を添えると、もうぬるくなっている。
A『…』
「、ないかな?」
ぼんやり俺の事を見てる目がぱちぱちと瞬きをした。
「そう、ならよかった。先生心配だかんね〜、」
後で熱さまシート変えてあげようかな、
なんて考えつつ今度はAの手を握る。
___つい4日程前まで結構元気だったのに。
その事実が俺を少しずつ悪い思考回路へと誘って行く。
特に変わったことをしていないのに平均的な数値を越えることはまず無い訳で、
勿論熱も含めて何かしらの原因があって体調が悪化しているのは分かってる。
でもその原因が分からない。
1番肝心な所が分かっていない。
小さな手は俺の手をいつもよりも弱々しく握ってきた。
「ん〜?どした?」
A『…、』
「うん、俺ここいるよ。大丈夫だからね。」
熱のせいもあって若干息苦しそうだから、酸素マスクを付けることに。
両手で作業するものなのは承知の上で、俺は手を離したくなくて片手で酸素マスクの準備をした。
ガラガラ
渡「あれ、大丈夫すか?」
「ん、若干息苦しそうだから念の為ね」
渡「あ〜なるほど」
翔太は入ってくるや否や俺の様子を見て「俺やります」と言い代わりに準備をしてくれた。
渡「…ふっかせん……」
「ん?」
渡「あー…ふっか、」
何かを考えた翔太は1度躊躇ったはものの、今度はしっかりと俺の事を『ふっか』と呼んだ。
これが俺らの医者と看護師の関係を取っ払う合図。
渡「ふっかの不安、俺らも結構キてる。だから一旦休んで欲しい」
「…」
渡「不安なのは死ぬ程よく分かる、俺らもそうだし。でもきっと先生達の方が不安なのも、分かってるつもり。」
渡「…でもふっかの、その様子で、…みんなの不安が倍増してるのも事実っちゃー事実。」
「そう言われても、」
渡「…涼太がふっかにつられ出して、どうしよう。なんて言ってた」
「…」
渡「この子が強いこと、全員分かってるじゃん。」
そう、Aは強い。
だからこそこの様子を見るのが辛いんだ。
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yan(プロフ) - 本当にいつも楽しく読ませて頂いております〜!どこか無意識にさくこじを頼ってしまう主人公ちゃん、後またスト末ズに懐いちゃう主人公ちゃん見たいです…!!お身体にお気を付けて、ご無理なさらないように更新して下さいね!次回更新も楽しみにしております^^ (2020年6月23日 2時) (レス) id: ec4bbc6231 (このIDを非表示/違反報告)
maru_(プロフ) - ひよこさん» あなたしかいない(2回目笑)。勿論!タメ口でどうぞどうぞですよ!しっかりじーこから学んで来てくださいね!(笑) (2020年6月21日 9時) (レス) id: 4197ca0e63 (このIDを非表示/違反報告)
maru_(プロフ) - バチスタファンさん» コメントありがとうございます!阿部ちゃんの看護師姿、しっくり来ますよね!絶対優しくてかっこいい…なんて妄想しながら書いています(笑)これからも頑張るので是非読んでくださいね(^-^) (2020年6月21日 9時) (レス) id: 4197ca0e63 (このIDを非表示/違反報告)
maru_(プロフ) - わにさん» コメントとご意見ありがとうございます!参考にさせて頂きますね、これからも是非読んでください(^-^) (2020年6月21日 9時) (レス) id: 4197ca0e63 (このIDを非表示/違反報告)
maru_(プロフ) - わーい!さん» コメントありがとうございます!とっても嬉しいお言葉もありがとうございます!これからも頑張るので是非読んでくださいね! (2020年6月21日 9時) (レス) id: 4197ca0e63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:maru_ | 作成日時:2020年6月6日 1時