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深澤 side
「…A?」
A『…っヒクッ』
「どした〜?」
俺を見つめる目はほんの少し、
いつもと違って。
それに気付かない振りをした。
A『…っかせんせぇ』
「うん、俺だよ。」
A『っか、せんせぇ…』
「なぁに?」
キラキラとした目が俺を捉えると、今まで堪えていたものが溢れ出すかのように俺にめいっぱい手を伸ばしてきた。
「ん〜どしたの〜」
ひくひくと泣く彼女は、俺の腕に抱かれると普段通りぐりぐりと顔を押し付けてきた。
「大好きだよ、大丈夫。」
小さな声で。
いつもと変わらない大好きを。
A『さみしかったぁ、…』
寂しくなった、1人は嫌だと泣く彼女がそれを俺の腕で、俺に向けて伝えてきてくれている事に泣きそうになるのを堪える。
「あ、そうだ」
A『んぅ…』
「見て、これ俺も佐久間に貰ったの」
ポケットに忍ばせておいた折り紙を取り出す。
A『…いっしょぉ?』
「そうそう、一緒だね。」
Aを抱っこしたままベッドの縁に腰かけて、
枕元にある小さな電球だけを付けてお話することにした。
A『こんど、』
「うん」
A『あのね?』
「うん、なぁに?」
大丈夫だよ、
なんでも言ってよ。
A『…ふっかせんせぇと、おさかな、』
「…魚?」
A『したの…』
魚、魚…
「あ、水槽かな?」
A『いきたい…』
「勿論、行こうね、」
Aの髪の毛を少し梳くと、恥ずかしかったのか言えた安心感からか、
ふふっと笑って、再び俺の白衣に飛び込んできた。
きゅっと白衣にシワを作る手が、
ほんの少し茶色がかった髪の毛が、
愛おしかった。
「大丈夫だよ、」
もう大丈夫。
───────今度こそ、大切なものを取りこぼさないように。
手に握る大切な紙を、
俺は彼女の大切な紙の横に置いた。
「おやすみ、」
君を笑顔にする魔法、
一生効果が続きますように。
end.
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yan(プロフ) - 本当にいつも楽しく読ませて頂いております〜!どこか無意識にさくこじを頼ってしまう主人公ちゃん、後またスト末ズに懐いちゃう主人公ちゃん見たいです…!!お身体にお気を付けて、ご無理なさらないように更新して下さいね!次回更新も楽しみにしております^^ (2020年6月23日 2時) (レス) id: ec4bbc6231 (このIDを非表示/違反報告)
maru_(プロフ) - ひよこさん» あなたしかいない(2回目笑)。勿論!タメ口でどうぞどうぞですよ!しっかりじーこから学んで来てくださいね!(笑) (2020年6月21日 9時) (レス) id: 4197ca0e63 (このIDを非表示/違反報告)
maru_(プロフ) - バチスタファンさん» コメントありがとうございます!阿部ちゃんの看護師姿、しっくり来ますよね!絶対優しくてかっこいい…なんて妄想しながら書いています(笑)これからも頑張るので是非読んでくださいね(^-^) (2020年6月21日 9時) (レス) id: 4197ca0e63 (このIDを非表示/違反報告)
maru_(プロフ) - わにさん» コメントとご意見ありがとうございます!参考にさせて頂きますね、これからも是非読んでください(^-^) (2020年6月21日 9時) (レス) id: 4197ca0e63 (このIDを非表示/違反報告)
maru_(プロフ) - わーい!さん» コメントありがとうございます!とっても嬉しいお言葉もありがとうございます!これからも頑張るので是非読んでくださいね! (2020年6月21日 9時) (レス) id: 4197ca0e63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:maru_ | 作成日時:2020年6月6日 1時