キミが×んだ世界【歌い手】

プロローグ ページ1

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2×××年、都内某所―――とある研究室


「あとちょっとで…この狂った世界を壊せる！」


「急げッ！」




小さく、切羽詰まったような声をあげるのは二人組の男性

一人はメインモニターを前に次々に現れるロックを解除して、

もう一人の手には拳銃が握られており、どこか怯えた顔で辺りを警戒している




「よしッ！これでいけるッ！」



ロックを解除していた一人がそう歓喜の声をあげると、銃を持った男の顔が少しほころんだ

男としては、さっさと任務を終えてこの場所からいなくなりたいのだ

しかし、彼らを嘲笑うようにメインモニターにはErrorの文字

その表示は1つどころではない

何個も何十個も際限なく現れる



「なんでッ！なんでだよッ！」



ダンっと大きな音を立て、制御システムに拳を打ち付ける

その程度で壊れることはないとわかっていての行動だった


男の顔が絶望と不甲斐なさと恐怖で染まるなか、研究室の扉が開いた

そこに立っていたのは一人の人間と、警備ロボットたち



「なにをしているの」



低い声でそう問われるが、彼らのしていたことは正直に話せることではない

そんなことはその人間もわかっているはずだ

だからだろうか、臆することもなく警備ロボットをつれ近づいていく


もはや袋のねずみと化した男は、最後のあがきというように拳銃を人間に向けて撃った


その瞬間、警備ロボットが動きだした







これが、終わりと始まり―――

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