明星と麒麟 (ページ12)

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酔っ払い　kwmr ページ12

kwmr side
『伊沢さん。今、記事の原稿送りましたー』

僕が好きな子は好きな人がいるらしい。

こんな唐突に思ったのはこの前の打ち上げの時にAさんが言った一言だった。

『河村さんって好きな人いるんですかー？』

いつもまじめでおとなしいAさんがこういう色恋沙汰を聞いてくるのは珍しいことだ。

「よっぽど酔っぱらっていますね…、大丈夫ですか？」

『もー、酔ってないですよー！それよりいるんですか？』

「いませんよ」

自分の気持ちとは真逆の言葉を伝える。

まあ、ほんとは好きな人は目の前にいる人ですが。

『そうなんですねー…、私はいるんですよー！』

「…そうですか」

『もー、河村さん馬鹿にしてるでしょー！』

そのあとAさんはすぐに寝てしまいその事をまるで覚えていないらしい。

しかもほかのひとには聞こえていなかった。

そういう事で僕の恋はまたもや崩れてしまったわけだ。

・

『…むらさん？河村さん？』

どうやら僕は長い時間呆けていたらしい。

「なんでしょうか？」

『あの…後で話があるんですけど…』

僕はなにかやらかしたのだろうか？

・

『呼び出したのに待たせてしまってすみません…』

「大丈夫ですよ」

『非常に言いにくいんですけど…この前の打ち上げの時に迷惑をお掛けしてすみませんでした！！』

どうやら覚えていたらしい。

ここで一つからかってみよう。

「なんのですか？」

『えっと、好きな人がいるのかどうなのか聞いたことです』

顔を完熟トマトみたいに赤くしながらAさんは言った。

「うーん、よくわかりませんねー、きちんと教えてもらってもいいですか？」

Aさんは人間の限界まで赤くなっている。

『えっと…、その…』

Aさんに笑いながら告げる

「覚えていますよ」

『からかわないでくださいよー…』

『本題に入りますね、この前好きって言った人は』

聞きたくない。

他のやつの名前なんて。

そう思ったら勝手に口が動いていた。

『かわｍ「好きです」』

「『え？』」

まさかの両想いだったようだ。

「これからもよろしくお願いしますね」

『こちらこそ！』
ーーー－－－
これは本当はハロウィンの話を書く予定だったのになぁ。

書いているうちに変わっていました。

おっかしいな？