18. お勉強しましょう｡ ページ21
.
何食わぬ顔で兄ちゃんの部屋に入って､
もうこの世の終わりみたいな顔に切り替え
ソファに座ってテレビゲームをしてた兄を
テーブル越しにまたいで座る｡
「A､見えないだろ…って､どうしたんだ」
画面先の主人公がゾンビに頭を取られて喰われようが､兄は妹の表情にめっぽう弱くそっちに目をやる｡
『兄ちゃん…』
「お､おお」
『勉強教えてください』
「なんだそんな事か､どれ」
ソファから立って私の横によって座れば
さりげなく開いた教科書に顔を近づけて印を付けた所に指を指す｡
「世界史か､俺は日本史の方が得意だな」
『私は両方苦手だ〜』
そう､兄の得意教科は日本史｡
それに基づいて世界史も行けるかと思ったのだ｡
私の苦手教科は歴史全般
でも地理や公民､政経などは得意｡
「世界史は教え用がないぞ
とにかく暗記だからな､あと想像力」
『暗記苦手』
「苦手苦手と言うんじゃない､やってみることが大事だ､それにしてもなぜ今勉強してるんだ？」
『新学期の学テに向けてね｡あまりにも苦手過ぎて０点だったら嫌だから…』
「ん､範囲ヨーロッパか､ローマとかそこら辺か？
それならまずは…」
机から白い紙を取ってきて､楽々に丸をいくつか書いて国名やらを書き出す兄ちゃん｡
すると隣の百君の部屋のドアが閉まる音がして
兄ちゃんの部屋のドアが開く｡
入ってきた百君の顔はさっき私が私が作って入ってきたあの顔と全く同じ顔をして､私と兄ちゃんの前に座る｡
顔も似てればやることも同じか､さすが姉弟｡
ちょっとにやけてるけど｡
「勉強か」
「…なんでわかった」
「お前達は顔の演技がわかりやすい
途中で顔がにやけてるのにも気づかないのか」
『うそ』
「え」
百君はクラス決めのテストに向けて少しだけ勉強したかったけど何一つ覚えてなくて焦った､のこと｡
「そんな顔しなくても聞けば教えるに決まってるだろう､誰だと思ってるんだ」
『かっこいい､だいすき』
「もっと言ってくれ」
「俺､数学聞きたいんだけどその前にこれ…」
もう見るのも嫌だ｡そんなような顔して
差し出した冊子は英語の長文｡
『出来るけど面倒だね…兄ちゃん？』
「お､おう､まぁ任せろ｡」
挙動不審のような動きと顔をする兄ちゃん｡
英語苦手だっけ？
まあこんなのスグだ！
とぎこちなく何故か強がった｡
無理しなくても良いのに
『…勉強､しよっか』
「まあ余裕だな」
『だからなんで強がるの』
.
19. コガモ妹弟→←17. Happy Birthday 2
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 94人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
とびっ子??(プロフ) - 樹鈴（じゅり）さん» ありがとうございます！ (2018年7月30日 20時) (
レス) id: c9d40c7bd4 (このIDを非表示/違反報告)
樹鈴（じゅり）(プロフ) - ゆぽんずさん» リクエストありがとうございます！了解です！ (2018年7月29日 19時) (レス) id: 08b06fceb0 (このIDを非表示/違反報告)
樹鈴（じゅり）(プロフ) - とびっ子??さん» リクエストありがとうございます｡先輩組かっこいいですよね､少しお時間かかりますが必ず投稿したいと思います！ (2018年7月29日 19時) (レス) id: 08b06fceb0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆぽんず(プロフ) - 見るのいつも楽しみにしてます！！凛ちゃんとの甘々を読んでみたいです！！ (2018年7月24日 17時) (レス) id: 7383221981 (このIDを非表示/違反報告)
とびっ子??(プロフ) - いつも楽しく見させていただいています！あの…リクエストなんですけど、夏也先輩とか尚先輩って出していただけないでしょうか！ (2018年7月23日 3時) (レス) id: c9d40c7bd4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
