36、魔法の言葉 ページ37
レイside
うそ、だろ…？
引き出しに入っていた手紙をまじまじと見つめる。
『レイへ』
Aからの手紙だった。
その他にも、ノーマンとエマ宛の手紙があった。
俺は戸惑いながらも手紙を開く。
『これを読んでるってことは、わたしはもう、出荷されたんだね。エマとノーマンへの手紙は、"真実"をしったときに渡してね。』
字を描きなれてないのか、少しがたがたしている。
手紙を持つ手が小刻みに震え出す。
Aが出荷されたという事実が胸を貫く。
『わたしね、実は後悔はないんだ。私は出荷されて当然なんだから。』
出荷されて当然…？そんな訳ないだろ。
『前世、鬼だったんだ。今のレイ達の敵。外の世界で生きてきたんだよ。』
俺は"鬼だった"という言葉が信じられなくて何度も読み返す。
鬼…俺たちの敵…？
『生きていける気がしなかったの。ずっと罪悪感を胸に秘めながら生きるなんて、無理だと思った。みんなの笑顔を見る度に胸が痛くなった。苦しくなった。』
すると、俺の前にAが現れた。
｢A…？｣
｢みんな大好きだったから。私がやってきた事が許せなかった。みんなが許したとしても、私だけが許せなかったの。｣
涙を溜めたAは優しく笑った。
｢だから、せめてもの罪滅ぼし。っていっても、私は逃げただけなのかもね。過去に囚われて罪悪感からの逃げ。｣
｢逃げじゃねぇよ…。お前は強い。強いよ。｣
正義感が強いお前だから。
優しすぎてしまうから。
ずっと、苦しんできたんだろ…？
たった独りで。
｢それはレイも同じでしょ？｣
きょとんとしたAと目が合う。
｢レイだって、たった独りで頑張ってきたんでしょ？脱獄のために。｣
Aは俺を優しく抱きしめた。
目の前にいないことくらい分かってる。
だけど、凄く、凄く暖かかった。
｢A……必ず、脱獄成功させるからな。空からでも絶対に見とけよ。｣
｢うん。絶対成功させてよ、レイ。｣
Aは優しく暖かいまま、消えていった。
『本当にごめんね。』
……
手紙には何滴か水滴がついていた。
｢……大好きだよ、レイ。｣
その言葉は手紙に書くことはなかった。
…
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Rabbit book(プロフ) - 名無し36402号さん» 嬉しい！！（挨拶） (2019年8月28日 16時) (
レス) id: 5389d4eda8 (このIDを非表示/違反報告)
名無し36402号(プロフ) - 好き！！（挨拶） (2019年8月28日 16時) (レス) id: c75b9f4129 (このIDを非表示/違反報告)
Rabbit book(プロフ) - まる。さん» ありがとうございます！！凄く嬉しいです(T^T)これからも応援よろしくお願いします！！ (2019年8月10日 17時) (レス) id: 5389d4eda8 (このIDを非表示/違反報告)
まる。 - もー！泣いちゃったじゃないですか〜！最高でした。。。 (2019年8月7日 14時) (レス) id: 76c9882528 (このIDを非表示/違反報告)
Rabbit book(プロフ) - カイヤさん» そこには何があったのでしょうか…。楽しみにしてて下さりありがとうございます！ママ達の小説も凄く面白かったですよ！！両方感動しました！！クローネの話に出てくるあの人がすきです！笑これからもよろしくお願いします！ (2019年4月13日 20時) (レス) id: 5389d4eda8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ま る | 作成日時：2019年3月28日 20時
