27、あと1週間 ページ28
Aside
次の日の早朝、私はひとり外に出ていた。
吐いた白い息が綺麗な星空に消えてなくなる。
星空を眺めていたら、サクリ、サクリと後ろから足音が聞こえてきた。
ママが来たのかと思い慌てて振り返る。
｢やぁ。｣
そこにいたのはノーマンだった。
安堵の息をはいていると、ノーマンは｢失礼するね｣と私の隣に座った。
｢綺麗な夜空だね。｣
｢うん。そうだね。｣
｢大丈夫、エマとレイはぐっすり眠ってるよ。｣
｢…そっか。｣
2人で仲良く空を眺める。
｢来週、なんだな……｣
私の小さなつぶやきにノーマンはフフっと笑い
｢楽しみ？｣
って聞いてきた。
そんな訳ないじゃん。っていう言葉は喉元で止まる。
｢どっちかっていうと、寂しいかな……｣
｢そうだよね…｣
｢ずっと4人で過ごしていきたかったね。｣
自分で出荷を望んでおいてなんだよ、とか思いながらノーマンをちらりと見る。
ノーマンは優しく笑い私を撫でてくれた。
その優しさに、思わず涙が出てきそうになる。
｢そういうのはエマにしなきゃ。｣
｢あはは、どうしてそうなるの。｣
カラカラとノーマンは笑う。
｢え、ノーマン、エマのこと好きじゃないの？｣
｢好きだよ？大切な兄弟として。｣
｢あぇ、恋愛の意味で好きな人はいないの？｣
｢…今はいないよ。昔はいた。｣
｢へぇ〜｣
心地よい静寂が2人を囲う。
｢ねぇ、ノーマン。今日くらいは甘えてもいい？｣
｢レイじゃなくてもいいの？｣
｢レイには恥ずかしくて出来ないから。｣
｢そっか。うん、いいよ。｣
そしてノーマンは大きく手を広げてくれた。
私はそれに身体を預ける。優しい温もりが私を包んでくれた。
彼の無邪気な優しさが私の心をえぐっていく。
｢…ありがとうね。｣
少ししたあと私は少し照れくさそうにいう。
｢どういたしまして。｣
ノーマンも笑顔で言ってくれた。
｢じゃ、戻ろうか。ママが心配しちゃう。｣
ノーマンがスクリと立ち上がり歩いていく。
｢うん。そうだね。｣
私もノーマンの後をついていく。
…ノーマン、もし二人に何かあったら何があっても守ってあげなよ。
そう思いながら吐いた白い息はゆっくりと宙に浮いて消えていった。
……………
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Rabbit book(プロフ) - 名無し36402号さん» 嬉しい！！（挨拶） (2019年8月28日 16時) (
レス) id: 5389d4eda8 (このIDを非表示/違反報告)
名無し36402号(プロフ) - 好き！！（挨拶） (2019年8月28日 16時) (レス) id: c75b9f4129 (このIDを非表示/違反報告)
Rabbit book(プロフ) - まる。さん» ありがとうございます！！凄く嬉しいです(T^T)これからも応援よろしくお願いします！！ (2019年8月10日 17時) (レス) id: 5389d4eda8 (このIDを非表示/違反報告)
まる。 - もー！泣いちゃったじゃないですか〜！最高でした。。。 (2019年8月7日 14時) (レス) id: 76c9882528 (このIDを非表示/違反報告)
Rabbit book(プロフ) - カイヤさん» そこには何があったのでしょうか…。楽しみにしてて下さりありがとうございます！ママ達の小説も凄く面白かったですよ！！両方感動しました！！クローネの話に出てくるあの人がすきです！笑これからもよろしくお願いします！ (2019年4月13日 20時) (レス) id: 5389d4eda8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ま る | 作成日時：2019年3月28日 20時
