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夜になりホテルに戻って2人で晩酌中。

私は度数低めの缶チューハイを飲んで、隆平くんは普通の缶ビール。

外の風景を眺めながら話してた。


「もう明日帰る日かぁ。」

丸「ゆっくり出来たなぁ。」

「いつか子ども連れてこられたらいいね」

「あっ」

無意識のままぽつりと出た言葉。


丸「…子ども、欲しい?」

窓の外に向けていた視線が私に向けられてるのはなんとなく感じているけど隆平くんの方を向かずに

「欲しいよ」

と答えた。


丸「じゃあ…」

「でもね、今じゃないの。」


え? と素っ頓狂な声を出した隆平くんの方を向いて、目を見た


「しばらくは隆平くんを独り占めしていたいし、子ども出来たら隆平くんを取られちゃうじゃん?」

丸「Aちゃん…」


「欲を言えば、ずっと独り占めしていたいけど。 隆平くんとの間の授かりものならありがたく頂戴したいし…」


言いたいことがまとまってないのに目の前で聞いてる男はニコニコと笑顔で頷いてて。

少し小突いてから残りの分のチューハイを全部煽って、布団に潜り込んだ。


丸「も〜、Aちゃんなんぼ猫やねん」

布団をぽんぽんと優しく叩かれて眠気が襲ってくる。


勢いで潜り込んだけど歯磨かなきゃ、と思って隆平くんの気配がする方とぎゃくのほうからそろそろと出て立ち上がろうとしたら腕を引っ張られて布団に逆戻り。

「う、わっ」

天井と隆平くんだけが見える。つまり押い倒されてるというか。


丸「なぁ、子ども。つくろか」


「ばっ…!今回ばかりは流されないから!」


今まで何度流されてきたか。

初めて食事行った時も流されたし、付き合う時も私にも意思があったとはいえ半ば流されたし…!


丸「マルちゃんなんのことかわかれへんわぁ」

知らん振りをした隆平くんに着々と浴衣が脱がされていて、でも隆平くんのほうが力あるから抗えないし


「……中では出さないでね」

丸「はぁ…あかんなぁ」


歯止めきかへんかも、なんて言ってその日はいつもより手荒く抱き潰された。





「またこのパターンなの…」

目が覚めたら朝。


時計を見ても朝食バイキングの時間が過ぎていたので隆平くんを叩き起こすのも諦めて。


「さむっ」

薄い浴衣を着せられて隆平くんに後ろから抱きしめられてて、布団をかぶっていたけど。


ほぼ裸じゃん、風邪ひきそ。


私はまだいいけど呑気な顔して寝てる隆平くんは大丈夫なのかな、なんて不安になってずれていた布団をかけ直してあげた。



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★→←★ (丸)



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作者名:しのはら | 作成日時:2017年7月29日 23時

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