本質【及川徹】

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小4の時



そこそこ仲良かった男子に
「お前ら女子と遊んでんのかよww」
って馬鹿にされた。


俺らさ、その頃ほんとに馬鹿でさ。



ごめんね。寂しかったよね。
いきなり突き放されて。独りにされて。


Aを名前呼びするのも恥ずかしくなって
いきなり名字で呼び始めた。

それどころか一緒に登校もしないし、バレーも誘わなくなった。
もしかしたら「もう来るな」とか言っちゃったかもしれない。

この一年間はAとはほとんど話さなかった。



本当は知ってたんだ。
Aが寂しそうに俺ら二人がバレーしてるのを横目で見ながら独りで帰ってるの。









小5の時


それでも小3の時に気付いた“好き”って気持ちは変わらなくて
小4の時にAがいなかったのもやっぱり俺が寂しかったからもう一回バレーに誘った。









及「A！バレーしよ！」









1年一緒にいなかっただけでこんなにいろいろ変わるんだね


声も、接し方も、性格も、家の事情も。


今までは元気でハキハキ喋ってたAは
前より少し落ち着いた声で
少し他人みたいな接し方で俺にこう言ったんだ。








『私習い事あって放課後遊べないの。









ごめんね、及川くん(・・・・)』

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