【ヒロアカ】翻弄ロマンス (ページ44)

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42. 呼んだ理由 < side H > ページ44

12歳…まだ子供だった俺は、当時何も出来なかったけど・・・
ヒーローになってから…公安に現存する報告書類、関連する情報には全て目を通した。

10年前・・・

ヒーロー仮免許の段階で、普通なら駆り出されない...中規模ヴィラン制圧。
1日も早く戦力を作り出そうと、公安は・・・センパイ達を最前線に送り込んだ。

結果として…ヒーロー候補生1名重体、1名死亡・・・
重体のセンパイが、判断ミスを問われ…仮免剥奪、個性の・・・永久使用禁止。

センパイを養成部から追い出す形で、ヒーローと関わりがない部署へ転部...という名の左遷。

なして、センパイが責任を取らされる・・・？
まだ一人前にもなってない見習い生を、あの場に送り込んだんは…公安の大人やのに・・・

「10年前の事を掘り返すのは、好きじゃないすけど・・・あの事故は…間違いなく貴方達、大人の責任だ」
「何を今更・・・当時子供だった君に、言われる筋合いはない」
「・・・そうすね、これは昔の話です。ただ、責任負わせて一人の人生を変えたんだ・・・最後まで守るのが、筋ってモンでしょ」

この頭堅いオッサンに言ったところで、公安の体制は変わるワケがないのに・・・
つい…気持ちが抑えられなくなった。

公安がしっかり守ってれば、センパイは・・・結婚して...幸せになれたかもしれんのに。
まぁ…17歳のセンパイに責任押し付けた時点で、そげん事せん人達やって分かっとったけど・・・

「貴方達が守らないから、俺が守る・・・Aさんを呼んだ理由は...ただ、それだけです」
「ハッ・・・恋は盲目だな。最速の男とはいえ、君はまだ若い。まぁ、仕事に支障をきたさないなら大目に…」
「副会長、何か勘違いしてらっしゃるようですが…俺は、色恋の為にAさんを呼んだんじゃない・・・守る為ですから」

まだ何か小言を言いたそうな幹部達を置いて、「じゃ、失礼します」と部屋を出る。

恋愛で一括りにしよって・・・俺ん覚悟ば、そげんモンじゃなか。

屋上へ歩きながらスマホを見れば、大量の未開封メール。
書類確認溜まっとる・・・あー、頭が痛とうなってきた。

眠気覚ましにコーヒー飲まんと、飛びながら寝てしまうけん・・・
流石に5日連続、2時間睡眠はきつかね...ソファやなくて、ゆっくりベッドで寝たい。

センパイは何しとるかな・・・お昼、あの男ん人と食べとらんと良いな。

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