寒芍薬-Joshua- ページ9
JS side
沢山の人が居るはずなのに僕の目には君しか映らないんだ
二年前にここのカフェに転職してきた僕
コーヒーや菓子を作ってお客さんにご馳走する
それだけの仕事なのに毎日ここに来るのを楽しみにしているのは君がいるから
「やぁAちゃん」
『ジスさん!こんにちわ!』
「こんにちわ☺️いつものでいいの?」
『はい!』
「わかった、待っててね用意してくるから」
『はい!』
入り口をすぐ左に曲がった角がAちゃんが座るところでそこにはAちゃんしか座ることのできない席
Aちゃんのオーダーを覚えきっている僕は店の裏でAちゃんがいつも飲むカフェラテを作る
僕の一日の楽しみといえばこれぐらいだろう
Aちゃんにコーヒーを作って渡して話をして
Aちゃんは医療大学生であり大学の講義終わりに毎日ここのカフェに来てくれる
そして勉強して帰っていく。ここのカフェの唯一の常連さんだ
そんな彼女を好きになったのは彼女が初めてここにきた時
二年前の秋、後輩のウォヌとジフンが先に帰り店主である僕が最後に残って店を閉めようとしていた夕方五時過ぎ、店の入り口前で雨宿りをしていたAちゃん
もうすでに薄暗くて少し肌寒いはずなのにいつまで経っても入り口から離れる気配がしなかったのでAちゃんの後ろから声をかけてみた
「あの、」
『わぁっ』
僕の声に大きく反応した彼女は店の屋根からびっくりして出てしまった
「ちょ、濡れちゃいますよ」
誤差に彼女の手をひっぱると思った以上に僕の力が強かったのか、彼女が軽すぎたのか、僕の胸に飛んで来てしまった彼女
2人で謝り合いが続いて結局僕は彼女を自分の車に乗せて送って行った
それからというもの、僕らの店の売り上げがどったらこったらで毎日来てくれるようになった
彼女の存在は僕だけでなくウォヌとジフンも知っている
彼らは同い年らしく、異性とあまり話さないあの2人も彼女を気に入っているようだ
嬉しくないことにね
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作者名:みかん | 作成日時:2024年3月12日 1時