月下美人-jun- ページ13
JN side
満月の光が輝く仕事帰りの夜、最近は寝るか仕事かで忙しかったな
今頃同じ世代の男はどんな恋愛をしているのかな
俺は甘ったるい恋愛じゃなくて欲と理性に支配された様な刺激的な恋愛がしたいな
攻められるのも好きだけど攻める方が好きだな
この職業上、簡単には女性に触れられないし抱けない
会社によっては恋愛禁止だなんて、ほんと嫌になっちゃうよな
「*•.¸¸♬」
こんなに夜遅い時間、人通りの少ない道を歩く
目的地を決めずにただ歩く
そんな時間あるんだったらさっさと寝た方がいいんだろうけど
「うわ、何この匂い」
香水にしては甘すぎるし花にしては上品すぎる匂い
「こんな所で何をして、」
公園の小さなベンチにちょこんと座る1人の女性
「なんで泣いて...」
『あ、すいませんっ邪魔ですよねっ』
そう言って立ち上がり去ろうとした女性を引き止めた
「...香水?」
さっきしたあの香りの源が彼女のような気がした
『いや、多分違いますっ』
初対面にして慣れすぎだが彼女の首元の匂いを嗅いだ
「君だよ。何の匂い?」
『分かんなくてっ、なんか満月の日に匂いが強くなっちゃうんです』
匂いの種類的に男は特に歯止めが効かなくなる様な匂いだからか、もう既に何人かの男に触られていたのだろう
「気に入った。俺の家においで」
アイドルが何を言ってるんだ、アイドルじゃなくても何を言っているんだ
我ながらに阿呆な行動だと思うが実際彼女に一目惚れしたことは事実だ
『っ、、、』
疲れ切ってしまっている様子の彼女には体力が残っていない
枯れた花のように軽い彼女を抱き抱えて家に帰った
これが俺とAの出会い
223人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:みかん | 作成日時:2024年3月12日 1時