思いの伝え方【SVT(95's,96's)】ー短編集ー (ページ11)

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JS side

「そっか、忙しい時期に誘っちゃったよね、ごめんね」

『こういう日がないと疲れて死んじゃいますー』

胸元を押さえて顔を顰めた彼女に素直に可愛いなと思った

「ずっとさ、気になってる事があるんだけどAちゃんとジフナって付き合ってるの？」

彼女は口に入れたばかりのお酒を吹き出しそうになった

『何いきなり変なこと言うんですかっ！付き合ってるわけないじゃないですか！』

「そう？結構距離感近いからできてるのかなーって思ってた。それならよかった」

『ジフナは恋愛に興味ないって言ってましたよ、彼女を作る気もないって』

それなのにAちゃんには関わるんだ。絶対に気になってるんだろうな。男の勘だよ

「そっか、ウォヌは？」

『ウォヌも同じですよ』

あんまり興味なさそうに言う彼女

「…ずっと不安だったんだからね」

『不安って何ですか…まるで嫉妬してたみたいな…』

「そうかもね」

『え？』

「Aちゃんって鈍感？」

『そういうのって自分じゃわからないんじゃないですか？』

「そうだよね笑」

ー

話し込んで雰囲気も良くなって来た時、第一歩を踏もう

「Aちゃん、僕、Aちゃんに頼みたいことがあるんだ」

「手、出して？」

不思議そうに僕の目を見つめた後両手を差し出してくれた彼女

机の上に出されたその手の平に自分の手の平を重ねた

「頼み事一つ目、これからもカフェに沢山来て？」

『もちろんですけど、』

「頼みごと二つ目、」

手を繋いでいることに触れそうになった彼女の言葉を遮った

「ウォヌとジフナには気をつけて？」

『どういう事ですか笑』

「彼らは女の子に興味ないはずだよ、それなのになぜAちゃんとはあそこまで仲良くなれたのか、」

もしかしたらこの子は鈍感なのかもしれない

「最後の頼み事、」

大した頼み事じゃないと思った様子の彼女の手は最初より力が抜けている

「僕をもっと意識して」

そういった瞬間顔を机に伏せた彼女に僕は一輪の花を渡した

「クリスマスローズっていう花だよ、僕はAちゃんのことが好き」

『…ジフナ達じゃなくてジスさんに気をつけます…』
　

次の日はいつもより来るのが遅かったねAちゃん

そうやって意識して僕のことを好きになってくれるのが一番のお願いだよ
　