95:パレダルジャン ページ10
降谷side
そのあとあんまりAを1人にしたくなくて、1人にすると本当に、冗談抜きで死んでしまう気がして、とりあえず計画を実行する日まで俺の家に泊まらないかと提案したが、「私は私でする事があるので」、と断られてしまった。
なんとなく嫌な予感はしたが、無理矢理連れて帰る事も出来ず、手渡されたUSBだけを持って帰宅した。
案の定、翌日そのホテルにはAはもうおらず、警察官の権限を持ってAの情報を聞いたが、名前も住所も電話番号も全て存在しないものだった。
どうせすぐにバレるだろうけど、僅かな望みにかけて仕掛けた発信機は早朝のうちにこのホテルの中で途絶えていた。
Aが気づいて壊したのだろう。
結局、Aはまた行方をくらませ、一切の連絡を取れなくなってしまったのだ。
それでも俺はAに託された計画をやるしかなくて。
上層部に掛け合い、各国の諜報機関やFBIに協力を呼びかけ、これでもかと言うほど念入りに準備をした。
こんなに何年もかけても捕まえれられなかった組織の壊滅のチャンスが目の前にぶら下がっているんだ。
みんなこの作戦に全力を注いでる。
そしていよいよ作戦が明日に迫った今、俺は工藤邸に来ていた。
ミモザという人物がこの計画を立てたことをどう見るかー罠とみるかどうかを、同じNOCである赤井には是非とも聞いておくべきだと思ったからだ。
インターホンを押してしばらくすると鍵が開く音が聞こえた。
入れという事だろう。
ドアを開けて工藤邸に足を踏み入れ、玄関を通り過ぎ、もう一つ扉を開けると、
「何の用だ、降谷くん。」
何の変装も施してない赤井が澄ました顔で立っていた。
そんな素顔を晒したままでいいのかと気になったが、今はそんな事を話してる場合ではない。
『組織の壊滅作戦についてどこまで知ってる?』
「作戦自体はほとんど知ってるはずだが。」
『作戦の出どころは?』
この作戦の提案者がAであると言うことは、本当に一部の人間しか知らない。
赤井は静かに首を振った。
『ミモザ。』
「彼女がこの作戦を立てたのか。」
赤井は大して驚く様子もなく冷静にそう言った。
『あぁ。』
それに何で赤井がミモザが女だと知ってるんだ?
ミモザは年齢性別も本当に限れられた人間しか知らないはずだ。
『彼女を知ってるのか?』
「彼女は.....」
赤井はそれからミモザの事を話し始めた。
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作者名:eri | 作成日時:2019年5月22日 20時