：すれ違い３[リクエスト] ページ14
.
優しい声に顔を上げると、そこには少し困り顔の結弦がいて
「...あの、さ」
言いにくそうに頭の後ろを掻きながら目をそらす結弦
『っ...ゆづ、る...』
「...A」
抑えきれなかった涙が零れて
その涙をそっと拭ってくれる手がなんだか懐かしくて、余計に涙があふれる
『ご、ごめ...』
止めたくても止まらない涙を必死で止めようと下を向こうとすると
『、わっ』
グイッと抱き寄せられた
「A、ごめん」
『っ...』
結弦の声がとても優しくて、止めようとした涙もとうとう止まらなくなる
「ほんとはもっと早く仲直りしたかったんだけど、どこにいるのかわかんなくて」
すっげえ探した、と言いながら抱きしめる力を強める結弦
「どこにいたの」
『...佳菜ちゃんの、部屋』
「...は？」
驚いたように体を離した結弦は、すぐに振り返って佳菜ちゃんを見つめて
そんな佳菜ちゃんは、ベーッと舌を出している
「...あいつ...」
『え？な、なに？』
「佳菜の部屋も探しに行ったのにいないって言われた」
びっくりして固まっていると、イライラしていた結弦の顔は、私の目を見た途端ふわっと笑って
「A不足で死にそうだった」
そういって、頭を撫でてくれた
『私も』
「昨日会った時、謝ろうとしたんだけどなんか緊張しちゃって」
『うん』
「...怖がらせちゃったよね、ごめん」
そういった結弦が少し泣きそうな顔をしていたからブンブンと首を振って抱き着いた
『私こそ、怒ってごめんね』
「ほんとだよ」
心から謝ったのに、全然反省してなさそうな声が返ってきたからバッと離れて結弦を睨む
「ふふ、怒ってる顔もかわいい」
『もう知らない』
ヘラヘラしている結弦がかっこよくて顔を逸らすと
「ふふ、うそうそ、ごめんって」
嬉しそうにそういって私の両頬を包み込む結弦
「すきだよ、A」
『...だいすき』
「もう絶対離さないから」
そういって、一瞬だけ唇を重ねた
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 590人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「短編集」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
零(プロフ) - え，好き←お気に入り登録しますね。良かったら私の作品の方で宣伝しても良いですかね？？ (2022年2月12日 9時) (
レス) id: 80842831d5 (このIDを非表示/違反報告)
マナ - きゃ〜〜sapuさんの作品は本当に面白くて、毎回ドキドキしてしまいます(//∀//)これからも更新頑張ってください応援してます^^ (2018年6月2日 15時) (レス) id: 595eca3f4d (このIDを非表示/違反報告)
Sapu(プロフ) - しおさん» しおさん初めまして！素敵なリクエストありがとうございます！！了解しました！遅くなるかもしれませんがよろしくお願いします(><) (2018年4月23日 19時) (レス) id: c06e2d3276 (このIDを非表示/違反報告)
Sapu(プロフ) - ちっぷ。さん» いえいえ！！こちらこそとても素敵なリクエストありがとうございました！！そんな、嬉しすぎます(><)ありがとうございます！！気に入っていただけるか分かりませんが書いていてとても楽しかったです！ありがとうございました！！ (2018年4月23日 19時) (レス) id: c06e2d3276 (このIDを非表示/違反報告)
Sapu(プロフ) - アニメ好きさん» アニメ好きさん初めまして！リクエストありがとうございます！！わかりました！遅くなるかもしれませんがよろしくお願いします(><)あと、どちらが記憶喪失になってしまうのか分からないので、一応どちらも書かせていただきますね！！ (2018年4月23日 19時) (レス) id: c06e2d3276 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Sapu | 作成日時：2018年3月19日 12時
